捕鯨強行と力士追放が招くバンクーバーオリンピックの惨事

報道
02 /06 2010
モンゴルから来た相撲取りが不祥事を起こし横綱を首になったとかなんとかでテレビは賑わっているようだ。
大相撲には殆ど関心ないし、今誰が出場しているのかも大相撲中継自体を観ていないから知らないのも同然。
大鵬と柏戸はまだ現役なのだろうか?若乃花とアイドルとの結婚はどうなったのだろうか?そんな話題すら混同するぐらい、今の大相撲には疎い。
それでも夕方6時前に出てくる「嫌われ役」の横綱の姿は否が応でも視界に飛び込んでくるから「なんか居る」というレベルでは知っている。
渦中の力士が北の湖ではない事位は認識出来る。

その力士の辞任理由は「品格」なんだそうである。不祥事がどうのこうのとか。
こういったプロスポーツの不祥事云々の騒動の度に解せないのは、そもそもスポーツマンに品格や「さわやかさ」を求めるところ。
そこに多大なる胡散臭さを感じるのだ。
一つ年下だけでも相手を「半殺し」にする程のシゴキでこき使い、人間扱いすらさせない「体育会系」の常識。
こんなものに「品格」などあるものか。
プロスポーツなんてものは「勝つか負けるか」がすべて。大相撲だろうとサッカーだろうと野球だろうと、荒くれ者が体力技力で相手をねじ伏せる「儀式」なんだから「品格」云々言ってたら勝負事にならない。
「模擬戦争」であるプロスポーツに「奇麗事」を絡めたところで、所詮負ける奴など相手にされないのだ。
この力士がなんで辞めなきゃいけないのか云々は知ったことではない。
だが、少なくとも稀有な強さを誇っていた選手を「品格」云々でやめさせなきゃいけない位の競技であれば、そんなもの最初から観戦する価値もない。
「大相撲」が神道儀式の一種だというならば、勝負事にすること自体おかしいのだ。
いっそ、場所ごとに力士を一人、生贄にして伊勢神宮の祭壇にお供えすればよろしい。
そっちのほうが余程、崇高な儀式となろう。
所詮、こんな騒動は既得権を持っている者たちが身の保全のために、責任をこの力士に押し付けて難を逃れるための茶番劇に過ぎない。
それでこの力士の出身国との関係が悪化しようとも、どうでもいいのだろう。

トヨタにしろ、この力士辞任騒動にしろ、この機に乗じて日本を潰そうと画策する者にとっては恰好の材料になる。
この力士を「反日の勇者」に仕立て、トヨタリコールや反捕鯨運動の先鋒者にすればいろいろ面白いことになろう。
すでにアカデミー賞では、日本作品のノミネートは皆無である一方で、日本でのイルカ猟盗撮ドキュメントは有力候補に上がっている。
トヨタリコールに加え、このイルカ猟ドキュメントが賞を獲得すれば、日本バッシングに勢いがつく。
南極海の調査捕鯨ごり押しにしろ、モンゴル出身横綱追放にしろ、それが如何なる「世界世論」に結びつくのか、日本人はもう少し敏感になったほうがよい。
余りの鈍感さにはあきれ果てる。

反捕鯨活動で有名な「シーシェパード」を環境テロリストだと非難する向きもあるが、欧米では寧ろ「英雄戦士」としてシンパシーを持っている有力著名人が多い。
だから、今日のトヨタリコールも「シーシェパード」支援者たちが暗黙のうちに「日本潰し」を発動始めたと推論出来る。
彼らの行動力を侮ってはいけない。
フランスがマグロの流通規制に乗り出したのも彼らの影響力だろう。
更に今回の外国人力士追放騒動は彼らに恰好の「日本バッシング」材料を加えたことになる。
日本自身が己の墓穴を掘るというのは、こういうことなのだろう。

まもなく始まるバンクーバーオリンピックではとんでもない事が起こりそうだ。

アカデミー賞で「日本人のイルカ虐殺映画」が賞を獲り、それが報道されるや否や、世界世論は一気に反日一色に沸騰するだろう。
「イエローモンキージャップは神聖なイルカを殺す野蛮な劣等人種だったことが証明された!」
「劣等人種ジャップが造る製品はボイコットして中国製品を買おう!」
みたいにね。
そしてクビになったモンゴル出身力士は水を得た魚の如く「反日戦士」の先鋒に起つだろう。
それを支援する中国や欧米マスコミが彼の元に押しかけ、世界に向けて大々的に「反日演説」をやらせるのだ。
彼は言う。
「日本人は偏狭な奴らだ。己より強い奴が出てきたのを恐れて俺を追放しやがった。世界を観ずにその小さな安住の地にへばりつく事しか能がないジャップどもを世界にのさばらせるな!トヨタソニーを潰せ。鯨イルカを獲る野蛮な行為に懲罰行為を与え懲らしめよう!今度は我々がイエロージャップを世界から追放する番だ!」
こうして世界世論は更なるジャパンバッシングを強めよう。

そしてバンクーバーオリンピック。
この「反日」世界世論に後押しされて増長した「シーシェパード」は陸戦隊を編成し、実行部隊を開催地に送りこむ作戦を展開。
彼らは日本選手団が宿泊する選手村に潜入して、ミュンヘンオリンピック同様、その全員を人質に取る行動に出よう。
彼らは日本政府に要求する。
「直ちに捕鯨を全面中止し、世界に謝罪せよ。すべての危険な工業製品の生産を中断し、自らの富を放棄し、国家主権を中国かロシアに譲渡せよ」
開催地はカナダだから、彼らの行動にシンパシーを感じる世論が支配的だ。
彼らの行動はむしろ支持され、選手村にはその支持者が大挙して押し寄せよう。
彼らは叫ぶ。
「いいぞ!シーシェパード!お前らの行動は正しい!イエロージャップをやっつけろ。この地球上から放り出せ!」

まさか「友愛」や「いのち」を掲げる頭のおかしい日本宰相がこれを受け入れることはなかろうが、あの鳩のことなので予断は禁物だ。
結局、日本の守旧既得権者からの圧力で頑なにこの要求を拒絶した挙句、日本選手団はシーシェパード実行部隊に全員処刑されるであろう。
一方、「シーシェパード」陸戦隊はカナダ警察当局に逮捕されることもなく、寧ろ日本の対応に非難が集中。
「奴らは同胞の命よりも鯨たちを殺す事業のほうを大切にしたぞ!やっぱりジャップは野蛮なサル共だったことが証明された!こんな民族は世界から抹殺すべき存在だ!
さあ、3発目の核爆弾を奴らの頭上にお見舞いするのだ!」
そして「シーシェパード」は英雄視され、エリザベス女王あたりから勲章でも貰うのだろう。

愚鈍な日本人はここでやっと己の立場を悟り、捕鯨を中止し、モンゴル力士を復帰させる事に同意するがすべて後の祭りである。

果たして現実にこんな事象に至るかは解らないが、いずれにしろ昨今の状況を鑑みると遅かれ早かれ、日本は世界からスポイルされ、相手にされなくなるのは時間の問題だろう。
愚鈍な外交に終始する無能政権下、上記の惨劇が起こっても不思議はなかろう。
まあ、すでに「終わっている日本」。
どうなろうと知ったことではない。

どうとでもなれ。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/