営業と持込ち

日常
03 /03 2009
持込とか営業とか、最近は珍しく足繁く行動している。といってもそれは自分の基準で、真っ当な社会人から見たらまだ引きこもりの範疇なのかもしれない。
先日、何人かの漫画家さんと合同で、ある出版オフィスに持ち込み営業に行く。
基本、自分はいつも持ち込み等は一人で行くのでこのような経験は初めて。妙な新鮮味を感じた。
同行した漫画家さんの一人は30代後半の方、編集者との会合では積極的に企画案とか出してアプローチなさっていた。またもう一人の漫画家さんは編集者とは昔ながらの付き合いがある方でフレンドリーに世間話をなさっていた。
自分はこういうコミュニケーションは苦手なのでなんだか凄いなあと感心するばかり。
大昔、就職活動面接時の苦い経験を思い出してしまった。
自分の持ち込みスタイルというと、大して会話もなく「取りあえず原稿見せて関心を持ってくれれば幸いか」というレベルで会話が弾むということもなく、何となくその場の雰囲気で仕事もらえるかもらえないかの空気を読んでおしまい、というのが常であった。
元々自分の作品は絵も内容もノーマルなマンガに比べ極端に偏向しているので、だいたい最初の5分くらいで結果が解ってしまう。
結論からいうと売れる売れないを度返しして奇特な嗜好を持っている編集者に出会えるか、がすべてになってしまうのだ。
それも雑誌に掲載されるタイミングが上手くシンクロしなければいけない。
そんなケースは稀。
大抵は持込した瞬間に「こりゃだめだ」という感覚でいそいそと退散するのが常である。
もっともそれは漫画家デビューする最初の頃の事で、最近は大凡是非の目星が付くので無駄な持込は減ってはいるが。
いずれにしろ、自分の場合は出来ること出来ないことがはっきりしすぎているので応用が利かない。
つまり、編集者と企画を練ってカットアンドトライしつつ仕事の方向性を煮詰めていくということがまったくだめな漫画家なのである。
そもそもそんなのが漫画家といえるのかどうか怪しいのだが、そうやってごまかしつつ何とか生き延びてきたのだから仕方がない。
漫画界や編集、出版界の内輪情報とかも疎く、正直全然関心がない。
ある程度、知っておくことで仕事を得るのに有利なことは解ってはいるが何だか面倒くさい。大抵の漫画家はそんな諸々の情報を頼りに仕事を探している訳だが自分はやっぱりそういうのは苦手でだめなのだ。
もっとも同業者との付き合いは殆どないから情報そのものが入ってこない。
あくまで悶々と一人篭って漫画描いて黙って編集者に原稿を渡し、淡々と作品が雑誌に載って・・・というルーティンの繰り返し以上のものは望まない。というか出来ない。
孤独に原稿と向かい合って妄想を焼き付けること。それがすべてだ。
今回の営業も同行のお二人が積極的に編集者と切磋琢磨して雑談交え打ち合わせに没頭しているのを傍で眺めながらつくづく自分は不器用なコミュニケーション能力に欠けた「ダメ人間」なんだなあと絶望する。
因みに同行した30代後半の漫画家さんはあびゅうきょを新世紀エヴァンゲリオンのアンソロジーマンガで知ったそうである。
なんだか複雑。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/