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第三新東京市への逃避行

旅、訪問記
09 /14 2020
「コロナ禍」という狂った異世界に飛ばされてしまった2020年夏。
何とか「正常な世界」に戻れるウィンドウを探しに、自分は週末に箱根の第3新東京市に逃避行した。
ここにくれば「ディラックの海」からシンジが脱出出来たのと同じく、この「コロナ禍」が支配する世界から抜け出せるルートが有るのではないかと期待したからだ。
箱根湯本駅の商店街で制服姿の綾波レイと出会う。
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私は尋ねる。
「正しき世界に帰れるゲートはどこ?」
しかし、レイは黙して語らず。
碇ゲンドウの命令がなければ、彼女は口を開かないのだ。
訝る店員を横目に一目散に店を出て、箱根登山電車に乗り込む。
強羅絶対防衛線に到着したのは12日の昼前。
かつてここには、大学当時の合宿所があって、毎年9月に漫画研究会の合宿が開かれていた。
もはやその合宿施設は跡形もなく消えていたが、そこで繰り広げられた青臭い青春の葛藤と茫漠たる絶望感の残滓が未だに漂っている。
その時空の狭間にこそ、この狂った世界からの脱出口が隠されているのではないかと徘徊してみたが手掛かりもなし。
絶望に打ちのめされ、近くの強羅公園を彷徨うと今度は窓辺にプラグスーツを着た二人目の綾波レイの後姿が。
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部屋の暗闇の向こうには碇ゲンドウがいるのだろうか?
嫉妬に燃えて窓越しにレイを呼んでみるも返事はない。
頭を抱えて一目散に公園を退散する。
いつしか自分はガラスの森に佇んでいた。
ここはグルンワルドの造った「迷いの森」に違いない。
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「コロナ禍」の間違った世界から脱出するどころかますます混沌とした迷宮に堕ちていく。
恐ろしい。
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第3新東京市からロープウェに乗る。
しかし気が付くと周りから視界がなくなり、外は真っ白に。
いつしか自分はLCLの海に取り込まれてしまったようだ。
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葛城ミサトの声がゴンドラ内に響く。
「何を願うの?」
それに答えようとするが声が出ない。
いつしかゴンドラは大涌谷へ。
もしや、正しき世界へ戻れたのかと周りを窺うが、ここもマスク人間だらけ。
がっくりと頭を垂れて駅舎の外へ。
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大涌谷の硫黄くさい空気が憂鬱さを高める。
そういえば碇シンジもここを徘徊したはず。
すると目の前に惣流・アスカ・ラングレーが立っているではないか。
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彼女は言う。
「あんた、本当にバカね」
否!
狂っているのはこの世のほうだ!
アスカならこの狂った世界から逃れるゲートを知っているはず!
どこだ!どこなのだ!
しかし、アスカは何も答えてくれない。
助けて!
助けてよ!アスカ!
必死になって叫んでいると係員が近づいてきたので慌ててロープウェに飛び乗り、桃源台へ脱出。
ここはネルフ本部だ。
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エヴァ初号機が待機中であったが自分には乗れない。
相田ケンスケのごとく、惨めな気分になって暫し佇む。
このままではダメだと急いで海賊船に乗り、芦ノ湖上を逃避行し続ける。
気が付くと元箱根町に。
そこに渚カヲルがいた。
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彼は呟く。
「人は忘れることで生きていける。さあ、いこう。リリンの下へ」
違う!
私が求めているものは「正しき世界」への脱出口なのだ!
しかし、渚カヲルはその質問には答えてくれない。
私はまたもやうな垂れてバスに乗り、最後の目的地、ユネッサンスへと向かった。
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LCLの湯やセカンドインパクトの湯に浸かってみるも、世界の景色は変わらず、相変わらず周りは頭のおかしいマスク人間だらけだ。
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温泉エリアから出ると、突然碇ゲンドウが話しかけてきた。
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「エヴァに乗れ」
エヴァ?
俺にとってのエヴァとはなんだ?
あの茫漠とした青春期の呵責か?
エヴァに乗ればこのくだらないコロナ世迷言世界から脱出出来るというのか?
敵!敵!敵!
そうだ!この狂った世界の全てが敵なのだ!
ちくしょう!
この狂った世界に鉄槌を振り落とそうにも、自分には乗るべきエヴァがないのだ!
もはや「出口なし」。
結局、第3新東京市にも救いは見出せなかった。
「正しき世界」に戻るゲートは結局現れることなく、絶望に打ちひしがれて新宿へと戻るのみ。
嗚呼、絶望。



あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/