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「7人の殉教者」が意味するもの

報道
07 /06 2018
東京は7月に入る前に「梅雨明け」宣言してしまったが、程なく梅雨前線がかかって梅雨空に逆戻り。
そんな天候の下、前世紀末を騒然とさせた宗教団体の教祖と弟子7人が処刑されたという。

平成に入る少し前のバブル期。
土地の価格は天文学的に釣りあがり、地上げによって都内は荒廃し、浪費の乱痴気騒ぎは日本人の精神を堕落させ、心身を蝕み、日本の国力を貶めた。
そんな愚かな世情をよしとしない優秀な若者がオカルティックなカルト教団に集ったとて不思議ではあるまい。
そのこと自体に罪はない。
あの時、日本は彼らによって生まれ変わるべきだったのだ。
それが為されなかったが故に、その後の日本は惨めな凋落に陥ったのだ。
バブル崩壊、阪神大震災、失われた20年、超少子高齢化、中国の台頭によるアジア経済大国からの転落、東日本大震災、原発事故・・・。
バブルを引き起こした既得権に縋る守旧世襲勢力がいつまでも権力の座に居座った挙句がこの有様だ。
処刑されるべきはバブル首謀者の方であって彼らではない。
あの時、彼らがなぜ守旧世襲勢力に代り、権力を奪取出来なかったのか。
それは彼らの希望を実践する憑代が怪しげな「カルト」以外に存在し得なかったことが不幸の始まりだった。
この戦後日本には権力の器が守旧世襲と行政能力に欠ける反体制野党メディアを中心とする劣化紅衛兵の2種類しかなかった。
そしてそれは戦後70年経っても延々と続いている。
バブルの終わった1990年代こそ新たな新生勢力が守旧世襲と劣化紅衛兵に代わって日本を取り仕切るべきだったのだ。
しかし、日本にはその希望を育てる苗床がない。
やむを得ず理想に燃えた若人は「カルト」に向かうしかなかったのである。
所詮、「カルト」に国を統治する能力はない。
彼らは追い込まれ、自暴自棄となり、化学兵器を以ってして守旧勢力との「戦争」に挑むこととなる。
これが日本の悲劇だ。
そのカルト教団崩壊後、その悲哀は、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の中で伏水流のごとく深層心理の奥底で脈々と語り継がれていくことになる。

そして23年後、彼らは図らずとも「7人の殉教者」として蘇ってしまった。
さらに残りの死刑囚6人を加えれば13名。
何とも意味深な数ではないか。
13人の使徒!
魂が肉体を離れれば、その教義は「伝説」となる。
彼らは結局、望みを叶えつつある。
守旧勢力は彼らを潰そうとしたはずが、皮肉にも逆に彼らの「願い」を解き放ってしまったのである。
不要な身体を棄て、魂を新たなステージへ。
まさに『新世紀エヴァンゲリオン』で描かれた「人類補完計画」の実践である。
もはや後戻りは出来ない。

平成は「希望」の胎動を潰すことから始まり、それを肉体から解き放つことで終わろうとしている。
退屈で行き詰った敗北感と絶望しかなかった平成はもうたくさんだろう。
新しい元号の下で守旧世襲と劣化紅衛兵からこの日本を奪還しない限り、未来はないのだ。

碇ゲンドウの台詞が蘇る。
「もうすぐだよ。ユイ」

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/