1992年のヤクルト優勝の頃

スポーツ観戦
10 /24 2009
久しぶりにプロ野球中継を観る。
かつてはシーズン中、ナイター中継をBGMにしていた頃もあったが、近年は回りにプロ野球に関心を持つ友人も居らず、更に米大リーグとボーダレス状態となったり、有力選手が一つのチームに偏って移籍する制度に辟易して普段はまったく関心すらなくなっている。
もっとも、地上波テレビで連日中継されていた巨人戦がいつしかテレビ欄から消えてからは、観たくとも観れなくなってしまったが。
だから、最近は秋口のクライマックスシリーズや日本シリーズの時期以外、まったくといってよいほどプロ野球を知らない。
今年は久しぶりにスワローズが3位に入ってクライマックスシリーズに出てきたので、久しぶりにチャンネルを合わせる。とはいえ、地上波テレビでは中継しないのでBSで観たのだが。

学生時代、1978年の初優勝以来、俄かにスワローズファンだった自分。
14年後の1992年に再び野村監督の下、2回目の優勝した時は一生懸命野球中継を追っかけていたものだ。
当時のナインは飯田、古田、広沢、ハウエル、池山、荒井、角、八重樫、荒木大輔などが居てやたら打線が火を噴いていた。
この年の日本シリーズは西武と対戦。
杉浦の代打満塁サヨナラホームランとか劇的なシーソーゲームが多く、結局は3勝4敗で敗北したがなかなか面白かった。因みに当時はデーゲームで行われていた。
当時のラジオ実況中継をカセットテープに録音したものが残っていて、最近再生してみたが記憶がいろいろ甦ってきた。
この時、活躍した選手の殆どは、現在、現役では名前を聞かない。
唯一、当時西武のピッチャー工藤がベイスターズで投げている位。
しかし、他の選手たちはどうしているのだろう。
一部はコーチや監督、解説者になっているのだろうが、大半はプロ野球の現場を離れ、「第2の人生」を歩んでいるのかもしれない。
プロ野球の最高峰、日本シリーズに出場し活躍する選手ですら、このような状況なのだから、控えや2軍選手の「未来」は推して知るべし。
一時の栄光は過ぎ去り、その輝かしい過去を引きずりながら生きていかざるを得ない「忘れられた名選手」。
しかし、一瞬ですら輝けた選手は、まだ幸いである。
まったく光を浴びぬまま、消えていった選手のほうが圧倒的に多い。
それを思うと辛くなってくる。

1992年のヤクルト優勝から17年。
今、ヤクルトナインを見ても知る名は、ない。無論1992年当時の選手は誰一人、現役にはいない。選手生命が如何に短い世界かを思い知らされる。
ただ、当時57歳だった野村監督は、今年も楽天で監督を務めて、なお脚光を浴びている。
それからTBSラジオで解説していた田淵も、17年後も同じように解説者として声が聞こえてきた。
アナウンサーも変わってなかったな。さすがマスコミは終身雇用か?
超一流な選手や、一流メディア従業者は例外で、死ぬまで第一線に陣取っていられるようだ。
これはどの世界でも同じようなものか。

いずれにしろ、少子高齢化、野球人口の縮小で、かつて巷に溢れていた「野球少年」は死語となりつつある。
将来、プロ野球選手を目指したとしても、もはやその受け皿すらなくなりつつあるようだ。
結局、大リーグとのボーダレス化は日本のプロ野球を衰退化させるだけだったのかもしれない。

かつて、地上波テレビの「王道番組」だったプロ野球中継がなくなり、野球選手が大衆のヒーローとして表舞台に立つ時代は過ぎ去った。
今や、その時間帯には「森3中」のような崩れた女子が闊歩する奇怪な番組が蠢き、プロ野球選手に代わって大衆を扇動し始めた。
果たして大衆は王、長嶋に代わって「森3中」を支持するのだろうか?
正直、そんな地上波テレビに誰が付き合うのか、自分は知らないし、関心もない。
もっとも、テレビを囲んで団欒を共にする「大衆」なんて存在自体、日本からは消えつつあるのだから、もうどうだっていいのだが。

1978年や1992年のヤクルト優勝時の興奮は、もう地上波テレビからは流れてこない。
野球に一喜一憂するのは、もう廃れた嗜みなのかもしれないが、それでも、幼年期から染み付いた「プロ野球」の刺激は今更拭い去ることも難しい。
ここにも「日本の衰退」を垣間見ることが出来る。

プロ野球という「日本中産階級のお祭り」がまたひとつ消えていくのだ。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/