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抗えぬ血統

日常
05 /16 2016
先日、改めて大学当時のサークル仲間を集めた宴に足を運ぶ。
お花見時にタイミングが合わなかった者含め、10人ほどが集まったか。
すでに皆50代半ば。話題は老眼、白髪、禿、病気治療と年相応の流れだ。
歳には抗えない。
既婚者で子持ちは息子娘の話題。すでに2世が成人を迎えんとするちょうど己が大学当時の年齢に差し掛からんとするのと同じ頃。つまり世代が完全に一回りしてしまったのだ。
18歳位の娘がいる後輩から、その娘さんが作ったというアニメ動画サイトにアップされた作品をスマホで見せてもらった。
どこか、その後輩が学生時代の学漫機関誌に掲載した漫画に描かれたキャラクターと面影が似ていて吃驚する。
実はこの親である後輩もかなり高い作画レベルを持ち、魅力的な絵を描いていた。プロの道は選ばなかったが、その能力は見事に子に受け継がれている。
どの程度、親が子に自分の作画テクニックを伝授させたかは知らない。
しかし、これは表層の技術を学んだだけでは説明できぬ。
明らかに「血統」であると悟った。

この娘さんは特にプロになりたいとは思っていないらしい。
近年の20代前後の若者は高い能力があってもプロ志向は低い。苦労してまで商売にしたくはないのだろう。
将来の進路はどうするか全然決めていないというし、それが親の悩みだともいう。
しかし、この娘さんの優れた作画能力と親世代の作品が記憶の中でオーバーラップして奇妙な眩暈に襲われてしまった。
「抗えない血筋」によって「レジェンド」は代を受け継いでいる。
己が18歳当時、ケント紙に向かってGペンを叩きつけるように描いていた時と同じ情念が、この18歳の娘さんの作品に垣間見れる。
そして親である後輩の描いた絵に宿っていた不思議な魅力が、娘さんの作品にも同様に存在するのである。
この恐るべきDNAの策謀を目のあたりにした瞬間、己はしてやられたと思った。
人には寿命がある。
若き情念で何かを表現できる期間は短い。やがて人は老い、死ぬ。
しかし、子を作ることでその情念が宿る遺伝子を次世代に託す事ができるのだ。
最大の創作とは子供である。
可能性を次世代に受け継がせ、己の情念を宇宙開闢から宇宙終焉まで繰り返し花開かせるためには遺伝子を残さねばならぬのだ。そして魂の情念を何十億年にも渡って、覚醒と解放を繰り返すことが出来るのだ。
この生きる闘争に勝ち残った者だけが、この世に己の足跡を残すことができる。

この18歳の娘さんが将来、親から受け継がれた創作情念を糧にして生業とするかは知らない。
だがそんなことはどうでもいいのだ。
時空を超え世代を超えた創作遺伝情報のシンクロ。
抗えぬ「魂と血統」。
その実践を40年に渡って見渡したという現実がリリシズムとなって全身を貫き、それが己の人生ではなかったことに絶望するのである。
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あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/

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