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春画展に赴く

旅、訪問記
12 /24 2015
東京の永青文庫で開かれていた「春画展」に赴く。
23日が最終日。
「鳥獣戯画展」で懲りたので今回は開場30分前に現地に到着。それでも列が出来ていた。
永青文庫は旧熊本藩主細川家の邸宅の一角。周りは閑静な樹林に覆われている。
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1500円の当日券を買って会場内へ。
春画なるものをじっくり観たのは今回が初めて。
女性客も多かったが、春画をどういう気持ちで鑑賞しているのだろうか?やたら饒舌になっている女性客が目立つ。
喋る事で表向きな猥雑感を排除しているように思えてしまう。
それはさておき、総じて英国に収蔵されている作品の保存状態はよい。
結局、日本は己の美術価値を己自身で評価できないのだろうな。「春画」が欧米に渡ったのはある意味、幸いだったのだ。
また保存環境を考えても日本の湿潤な気候は美術品保存に適さない。
どの作品を見ても煩悩に対する貪欲なほどの表現意欲は、古今東西、身分を越えて普遍だ。
克明に描写された性器は、この部分だけ、現在の成人向けマンガに貼り付けても何ら違和感がないほどリアリティーに富んでいる。
著名な浮世絵師もたくさん春画を描いているようだ。
エロスもまた、創作分野のひとつでもあって、それを完全否定して画家の力量を計るのはナンセンス。
当然、春画の需要も相当あったことは想像に難くない。当時の絵師にとっては貴重な収入源だったのだろう。

一方で今現在、これら春画の「実用性」となるとあまり使えそうにない。
浮世絵にあるようなおかめ顔で今の水準からすると50歳くらいに見える女性が性器丸出しで性交に励んでいる図は、正直なところ「気持ちが悪い」。
子供の頃、家の棚の奥で昭和40年前半の「無修正写真」を見つけ、おぞましいものを観てしまった時の感覚に似ている。
だから脳内変換して、今風のマンガ、アニメ少女に置き換えて夢想してみたりする。
春画展妄想151223
それにしても春画はあくまで「美術品」というスタンスが必要なのだろう。そこに今流行のアニメキャラを入れたらもはや「美術品」ではなく「わいせつ図画」として取締りの対象となってしまうのだろうが、それはそれで奇妙なことである。







あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/