毎年の恒例行事である入間航空祭に今年も赴く。
いつもと変わらぬルーティン。時間も見る場所もカメラも。こうして一年の経過を確認するだけの行事と化してしまった。


だが、広大な基地の中、頭上に広がる紺碧の下に己を置き、天空の祭典に身を仰ぐ事で晩秋の終局を確認できる場があるのは貴重である。
何十万の人で埋め尽くされた入間基地。もはやテーマパークの一大イベントと何ら変わらない。



13時過ぎからブルーインパルスの飛行展示が始まる。
これまた例年通り。
陽が西に低く傾き、眩しい。


いつもならこのまま直接、稲荷山公園駅に直行するのだが、混雑を避けて、一旦北門から出る事にする。このルートは初めてだったかもしれない。
往路では見かけなかった航空祭ポスターがホーム掲示板にこれでもかとたくさん貼られていた。


あれほど人で溢れていた駅のホームも17時半近くになると人影も疎らになる。
空の祭典の余韻さえ消えて、基地は闇の中にひっそりと静まり返っていた。