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『思い出のマーニー』を観る

映像鑑賞
08 /11 2014
ジブリ最新作『思い出のマーニー』を観る。
原作は知らない。だから純粋にオリジナル作品として観賞した。
入り江の汐の満ち引きと海面に反射する月明かり。そして時空を越えた幻影。
昔、テレビで観た高畑勲演出『赤毛のアン』でアンが学校の演劇クラブの仲間と一緒に挑んだ一人仰向けになってボートに流されるエピソードが思い出されたのと、入り江の満ち引きは宮崎駿『シュナの旅』で神人の土地を囲む海を髣髴とさせた。
また、月は女性の生理サイクルを司って、その神秘と狂気をも醸し出す。
児童文学が原作なのだろうが、内容は完全に大人向けだ。
いずれにせよ 『風立ちぬ』よりずっと面白かった。
ところでスタジオジブリの製作部門が解体されると聞くが、宮崎駿が作らなくなったら会社が成り立たないという構造が、様々な「日本の黄昏」を象徴している。
ジブリテイストな作品はたとえ宮崎駿本人が居なくなったとしてもそのブランドは揺るぎない。
評判が低いと言われた宮崎吾郎の『ゲド戦記』をテレビで観たことがあるが、意外と面白かった記憶がある。
むしろ晩期の宮崎駿作品と比べたらこちらのほうがずっとよい。
この『思い出のマーニー』も駿氏が作らなかったからこそ、よかったんじゃないかと思う。
むしろ、ジブリ作品は宮崎駿以外の人が「ジブリテイスト」で作ればよいのだ。
ウォルト・ディズニーが鬼籍に入っても、ディズニー映画は不動だった。
だから宮崎駿が消えたらジブリ映画はおしまいという構造が事実なら、どこかシステムが間違っているのだ。
日本のコンテンツ産業の行く末も、このジブリの現実を考えると暗いものがある。
まーにー

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/