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夏の紺碧

日常
08 /07 2014
夏の雲ひとつない紺碧の青。
この2日間、東京は抜けるような青空で富士山も眺められた。
冬晴れの濃い群青を髣髴とさせる空。
一瞬真冬に陽の当たるところで「暖かいなあ」と日向ぼっこする記憶を呼び起こし、炎天下に出てみる。
不思議に「暖かい」。
暗示によって一瞬暑さを忘れた。
そう、半年前は日向がありがたかったのだ。日向を選んで歩いていたのに今は日陰だ。
冬の自分を思い起こし、あれほど暖かい貴重な日向を避けるとは何事かと己を叱って敢えて日向を歩いた。
今の内に日向を貯金して冬に備えるために40C近くの炎天下を歩く。

東京の夏は意外とカラッとは晴れ上がらない。
湿度が高く、空は灰色がかって重い。
だからこの2日間の抜けるような青空は奇跡に近い。
太平洋高気圧が張り出し、遠方の台風から齎される下降気流によって快晴が維持されるのは微妙な気圧配置あってこそ。そして太平洋高気圧の上にチベット高気圧が2重に覆えば完璧だ。
上空の寒気もなく、天空全て濃い青一色。
そう、これは夏じゃない。シベリア高気圧が齎した快晴なのだ。
また半年経てば、空っ風の中、寒い冬晴れを日向を求め歩くのだ。
冬の何倍もの熱量を持つ夏の日向に身を任せ、半年後に備えるのだ。
今年の2月の大雪を考えればちょうどバランスが取れよう。
あのドカ雪の翌日に40度近くの猛暑日が来たと妄想すれば、大雪はすぐに溶け、涼しくなろう。
そう、真冬に40度になれば「暑い」のではなく「暖かい」のだ。
そう念じれば熱中症なるものに惑わされることなく、この夏を「暖かく」過ごせるのだ。
きょうもポカポカ陽気だ。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/