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「神話と伝説」

報道
03 /12 2014
3月も半ばに差し掛からんとしている。
商業原稿に追われ、なかなかブログ更新が間々ならない。

BGV代わりにTVを灯すと様々な猥雑な世相が流れ込んでくる。
「現代のベートーベン」、「アンネの日記」、「東京大空襲」、「東日本大震災3周年」云々。
漠然とこれらのニュースを傍観していると朧げながらザワザワとする「如何わしさ」が脳裏を横切る。

歴史は戦争に勝った者によって記され、正義もまた勝者たる既得権者が決めるもの。
真偽は問題ではない。
如何に「神話と伝説」に昇華出きるかでモノの価値が決まるのだ。

「現代のベートーベン」を叩くことは「正義」でも「アンネの日記」の真偽に立ち入ることは許されない。
「東京大空襲」は非戦闘員に対する虐殺行為ではなく、あくまで勝者による「正義の行使」なのだ。
都民10万人の虐殺は勝者にとっては雄々しい「神話と伝説」として輝かしくカーチス・ルメイの下に輝く勲章だ。
「アンネの日記」もまた、その勲章たる「神話と伝説」を勝ち取ったが、「現代のベートーベン」は己の「神話と伝説」を臆病で小心者の「ゴーストライター」と狡猾な「週刊誌記者」に剥ぎ取られ、屈辱にまみれた「犯罪者」として地に堕とされた。

だが、「アンネの日記」と「現代のベートーベン」に如何ほどの差があろうか?
誰が記したかは問題ではない。
その作品を如何に「神話と伝説」に昇華出来るか否かがすべてなのである。

そんな例は枚挙に暇がない。
ヘンリー・ダーガーの諸作品は「芸術」として誰もが認めるものである。
だが、引きこもりの知恵遅れ生涯童貞独身清掃員を「芸術家」に高めたのは、たまたまその作品を見つけた画商の功績に他ならない。
画商が彼を「伝説と神話」で装飾し、「芸術」に昇華したのだ。
もし、ヘンリーダーガーの作品をこの画商ではなく、社会規範に厳しい管理人や警察が見つけたら、彼は「性犯罪者」として投獄され、作品は一夜にして火にくべられただろう。

全てはそういう仕組みなのだ。
「現代のベートーベン」が不幸だったのは、結局「ゴーストライター」氏が目先の合理的な打算でしか動けない凡人だったということ。
「ゴーストライター」氏は「神話と伝説」よりも「日々の現実生活」を選択した。
彼は将来性の乏しい芸術家として歩むより、堅実な音楽教師の道を選んでいる。
彼はミッキーマウスを観ても「あの中にはアルバイトが入っているぬいぐるみだ」とか、初音ミクを聞いても「ただの電子音のプログラムだ」と突き放すような類の人間なのだろう。
彼の作曲技術は「人を感動に誘う」ためには使われず、己の日々の着実な収入のためにしか使われない。
だから彼の作曲能力が如何に高かろうと所詮は「教本」「教材」「見本」の類に終始するしかない。
「現代のベートーベン」というキャラクターなくしては、「ゴーストライター」氏の作品は永遠に「参考書」「好事家」レベルなのだ。

「神話と伝説」を醸し出す事と「ペテン」は表裏一体である。
宗教に科学的根拠は一切ない。
だが、この世には数多の宗教が存在し、献金によって潤う教団は少なくない。
芸術もまた同じ。
「現代のベートーベン」の作曲真偽に科学的根拠がないからといって、彼を糾弾する理由はどこにもないのだ。
彼はいっそ記者会見で己の「神話性」を世に説くべきだった。
「私は神によって作曲能力を授けられた!聴力を超越する神からの電波によって!」と。
そして己の「神話と伝説」を「ペテン」に貶めた週刊誌記者に襲い掛かって刺し違えればよかったのだ。
そうすれば彼の「神話と伝説」は完結する。
それが出来なかったのは「現代のベートーベン」自身もまた、「ゴーストライター」氏と同じく、俗世に塗れた「小心者」でしかなかったということだ。
もし、彼が70年前にオランダの隠れ家でゴーストライター氏と迫害と絶望を描いた曲を記し、戦後発表出来たら、恐らく彼らは「神話と伝説」を獲得し、偉大なる芸術家として歴史に名を残せただろう。
「アンネの日記」と同じようにね。

今の日本に「神話と伝説」を醸し出す環境はどこにもない。
超少子高齢化で新たな価値観は生まれない。

全ては俗世に塗れて「ペテン」と化す。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/

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