沖縄取材記その3

旅、訪問記
04 /29 2013
沖縄取材3日目。
25日朝、6時頃起床。
外は雨模様。天気予報でも一日中雨と伝えていた。
残念。幸運も昨日までだったか。
このホテルでは朝7時より無料朝食バイキングがセットされていたので利用する。
家族連れ、中国人団体観光客、女子会風グループがちらほら。
独りボソボソ食べているのは自分だけか。
ゴーヤチャンプルなどあったので食する。
熱い日本茶が美味しい。沖縄のコンビニではホットドリンクが買えず、これは貴重。
かなり疲れてきたので、午前10時までホテルで休む。
今日の予定は今帰仁城跡ロケハン。
「ストレンジャー」ではUFOが発着する場所だ。
しかし、この雨模様ではテンションも下がりキャンセルする事も心を過ぎるが、取りあえず行って見ようと決める。
世冨慶バス停より名護バスターミナルへ。
そこから66系統のバスで今帰仁城跡バス停へ向かう。
雨は本降り。次のバスまで暫く時間がある。珍しく若い女性が一人、同じバス停に佇んでいる。やはり今帰仁城跡に向かうのだろうか?
10時50分発のバスに乗り込む。三日目の路線チェックは入念にしていなかったため降りるタイミングが難しい。運転手にも行き先を告げるのを忘れてしまった。
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案の定、今帰仁城址前バス停を危うく通り過ぎる処だった。料金は720円。
先程の女性も降り立った。何だか迷っている様子。
どうやら中国人らしく日本語が解らないとのことらしい。こちらの進む方向を見て安心したようで事なきを得る。
ここでバスの中に折りたたみ傘を忘れてきた事に気が付く。
例によって料金支払い時に焦って気が付かなかったのだ。幸い雨合羽を持参していたので何とか雨は凌げたが。
と、暫くすると雨が止んで来た。
今回のロケハンは不思議な事に見学場所に到着した途端に晴れたり雨が止んだりする。
尚も幸運に恵まれている事は確かなようだ。
しかしバス停から1キロほど登らねばならない。歩道は苔生しており、多分徒歩で登ってくる人は稀なのだろう。
今帰仁城址は有料で観光地化されていた。なぜかネコがたくさん居る。
チケット代を払い、城内へ。雨に濡れる城跡も趣きがある。
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しかし、勝連城ほどの雄大さには欠けるか。
東シナ海を望む高台で暫し身体を休める。
よく此処まで1人で来れたものだ。生まれて半世紀、こんな旅はしたことがない。
だが目的意識がハッキリしていると意外に出来てしまう。
流石にカメラのバッテリーやメモリー残量も底が尽き始めた。体力も限界に近い。
早いうちに那覇に戻ったほうがよいと判断し、14時前にバス停に戻る。
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次のバスまでは1時間近くある。
少しバス停の周りを探索してみる。古い民家の廃屋を見つけ、何枚か写真を撮る。タクシーやレンタカーで周っていたら決して見つけられなかったろう。庭の奥まで探索を考えたがハブがいるかもしれないので止めた。
路線バスを待つ時間帯は無駄ではない。
その土地の空気を感じ取れる貴重な時間だ。
今帰仁城跡バス停のベンチで佇んでいると、珍しく下校途中の小学生が通りかかる。習慣なのか「こんにちわ」と声を掛けてくる。
こちらも挨拶を返す。誰も居なくなったと思ったら、今度はネコが通りかかってこちらを見ている。
何だか面白い。
沖縄の路線バスはいつも空いていた。たまに乗って来るのは高齢者か障害者と思われる人。学生も殆ど見かけない。
健常者は皆、自家用車で移動なのだろう。
もっとも路線バスが空いているのは沖縄に限らない。都市部以外の公共交通機関はガラガラだ。しかし路線バスが廃止になったら超少子高齢化が到来する時代を控えてどう対処するつもりなのだろう。集落ごと廃墟にしてしまうのだろうか?
そんなことを考えつつ、15時50分頃名護バスターミナルへ戻る。
ターミナルの事務所で忘れ物の傘の事を尋ねてみたら、幸いな事に届いていた。
まだ幸運が続いていたらしい。
次の那覇行き高速バスまで1時間あるのでターミナル近郊を歩いてみる。
車は多いが人影は薄い。近くのコンビニでコーヒーを買い、うろうろしていると徐に自転車の白人2人組に声を掛けられる。
何事かと思えばモルモン教の勧誘だ。取りあえず社交辞令で逃げてきた。
やれやれ。
やっとのことで16時45分発那覇空港行き高速バスに乗り込む。
那覇バスターミナルに着いたのは18時半近く。料金は2040円。
此処でまたもや千円札がなく、運転手さんに1万円札を両替してもらう。
本当にバス料金支払い時だけが鬼門であった。
もう少し那覇市内の風景をカメラに収めるべきだったのだが、流石にバスに乗り疲れて余力なし。
帰りの飛行機も控えていたので、あとは空港内で土産を買う位しか気力がなかった。
最後はゆいレール旭橋駅からモノレールで那覇空港に向かう。ラッシュ時だったのでかなり混んでいた。
空港内の土産屋はいろいろあって迷うが、知人から指定された物品を選び、時間を潰す。
20時55分那覇空港発、ANA138便のB767で帰途に就く。
帰りの飛行機も窓側席。真っ暗で何も見えない分、平衡感覚が狂い往路にも増して緊張する。
例によってBGMは伊集院光のラジオ録音だ。
帰路は偏西風に乗る分、往路よりも早く1時間50分で東京に辿り着けるのは幸い。天候も安定。
アプローチに入った東京上空の夜は絶景であった。上手く撮影する事は出来なかったが裸眼でしっかりと脳裏に焼き付ける。
23時10分、無事羽田空港に帰還。
あっという間で怒涛の沖縄ロケハンがやっと終了した。

結局、3日間で現地での交通費は、路線バス、高速バス、ゆいレール含めて総額8000円ちょっと。タクシーで周ったらこの数倍は掛かっただろう。十分なリサーチを積めば、路線バスも有効な移動手段であることが証明された。
東京12チャンネルの人気番組「路線バスの旅」を一人でやったようなものだ。
わずか数日の沖縄であったが、マスコミ報道というかなりバイアスが掛かった「沖縄像」しか知らなかった自分にとっては実り多き遠征であったような気がする。
様々な意味で沖縄は潤っている部分も多いと感じた。もっとも3日間だけでは全てを垣間見る事はとても無理だったが。

今回の旅の経験を踏まえ、「ストレンジャー」2話以降のコミカライズ制作の糧にしたい。


あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/