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沖縄取材記その2

旅、訪問記
04 /29 2013
沖縄取材2日目である。
午前5時頃起床。
この日はハードスケジュールで名護市まで行かねばならぬので早めに行動する。
宿を7時にチェックアウト。ゆいレール県庁前駅近くのモスバーガーでお茶。ゆいレール旭橋駅まで行き、那覇バスターミナルへ。
ここから本日最初の訪問先、宜野湾市にある森川公園に路線バスで向かう。
予めチェックしておいた那覇バスターミナル8時発52系統「屋慶名」行きバスに乗り込む。乗客は自分と数人のみ。
天気予報では晴れのち雨であったが、すでに8時過ぎあたりから雨がぱらついてきた。これは辛い。雨だと写真撮影が台無しだ。
バスは58号線を北上する。道は整備されていて交通量も首都圏と殆ど変わらない。
道路を走る限り、沖縄では不便は感じない。
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最寄りバス停である中大謝名に30分ほどで到着。料金は470円。
バス停から公園までの道筋もネットで調べた地図をプリントアウトしてきたので迷うことなく辿り着く事が出来た。これは「ヤフー知恵袋」で教えてもらった。ネットの質問サイトも意外と役に立つものだ。
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森川公園は「天女伝説」由来の公園。
「ストレンジャー」ではかなり重要なロケーションとなる。
現地に着いた途端、雲が切れて日差しが射してきた。
何という幸運。
お陰で絵になる遺構写真が多数撮れた。
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撮影中、自分以外訪問する者も居らず非常に良いタイミングだった。
正に「天女の思し召し」だったかもしれない。
4月の沖縄は「うりずん」と呼ばれ、梅雨までの間、好天が続き草花も綺麗に咲き揃うシーズンとか。
その言葉とおり、新緑と花と蝶が美しい。
森川公園には高台があってちょっとばかり登ってみる。牧港湾が見渡せて気持ちが良い。
残念ながら此処からは普天間基地は覗えないが。
のんびりしてはいられない。次はうるま市にある勝連城跡だ。
再び徒歩で中大謝名バス停に折り返す。
同じ52系統のバスに乗れば辿り着くはずだ。10時17分の屋慶名BT行きバスに乗り込む。
一応、乗車時に運転手さんに行き先確認をすれば安心だ。乗客が少ないので普段は通過している可能性もある。
渋滞もなく、約1時間ほどで勝連城跡バス停に到着。乗客はほぼ自分ひとり。貸し切り状態で目的地に至る。
案の定、危うく運転手さんがバス停を通り過ぎかけて停まってくれた。
これも行き先を告げていたお陰だ。料金は中大謝名バス停から870円。
勝連城跡は沖縄のグスクの中では尤も美しいとされる。「ストレンジャー」原作には登場しないが、コミカライズ脚色の際、是非とも此処を舞台としたい場所。是が非でも観ておきたかった最優先のロケ地だ。
予想に違わず、雄大な城壁が広がる。天気も上々。
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入場は無料。特にゲートもない。出入りは自由だ。
平日にも拘わらず観光客がちらほら。中国人が目立つ。
城内の「三の郭」では、アメリカンスクールの子供達が我が物顔でリクレーションに興じていた。
世界遺産なのに構わないのだろうか?日本人の肩身が狭い。
「二の郭」にある拝所場には花が咲き乱れ、蝶が舞う。
城全体が高台にあるので、南米アンデスの空中都市マチュピチュを彷彿とさせる。
あるいは天空の城ラピュタか。
何処からか召使のロボットが出てきそうな雰囲気。
実に素晴らしい。
「一の郭」の頂上から見下ろす中城湾はエメラルドグリーンに輝いている。風が気持ちよい。
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要所を様々な構図から撮影し、2時間ほど過ごす。
一旦、街道沿いの駐車場隣接の休憩所に降りてバス時間調整。ここは勝連城の歴史館みたいな施設でトイレもある。
状況的に埼玉県のさきたま古墳群訪問時を思い出した。
次の目的地は嘉手納町「サンパウロの丘」。
勝連城跡バス停を14時37分に出る61系統の那覇BT行き上りバスでコザに向かう。そこでバスを乗り換えなければならぬのでややこしい。大きなターミナルなら案内所で訪ねればよいが、ここは単なる十字路だ。
この乗り換えも、予め「ヤフー知恵袋」で指示された地図をプリントアウトし、念を入れた。
約25分でコザ十字路着。料金は410円。地図とおり斜向かいのバス停に向かい、62系統読谷行きを待つ。
15時8分のバスに間に合いそうだったが、なぜか時間より早く行ってしまい次の38分の便を待つ。
バスを待つ間、上空には米軍機が離着陸する様子が覗える。嘉手納基地が近い雰囲気だ。
10分ほど遅れて目的のバスがやってきた。
なぜかコザ周辺の路線バス運転手はスキンヘッドが多い。
米兵に見下されないための防衛策だろうか。それとも単なる流行か?
15時50分頃、ゴザバス停を出発。一路「サンパウロの丘」最寄バス停の「嘉手納町運動場前」に向かう。暫くして路線バスの前に黄色いスクールバスが走るのが見えた。
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左手に嘉手納基地を見ながら74号線を走る。16分ほどで現地着。料金は330円。
ここは「ストレンジャー」原作で主人公とヒロインが初めて出会う場所だ。
この丘からは嘉手納基地滑走路が一望出来る。
ついに極東最大の米空軍基地に辿り着いたのだ。
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確かにスケールは大きいが思ったほどの圧迫感はない。
米空軍最新鋭戦闘機F22が離着陸を繰り返している最中にも拘わらず、この丘には誰の姿も窺えない。
一瞬立ち入り禁止なのかとも錯覚するほどの過疎さ。
横田基地周辺だったら考えられない特等席独占だ。
もっとも74号線を挟んで道路の向こうに「駅の道かでな」があって、其処のテラスのほうが眺望が利く。
案の定、振り返ると人が鈴なりである。
暫くすると、何やら法被を着た女性二人組が丘に遣って来て花の種らしきものを撒き始めた。そして怪しげな新聞を渡される。
何かの宗教団体だろうか。
暫く丘の上で写真を撮った後、自分も「駅の道かでな」のテラスに移動する。
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観光バスがひっきりなしに遣って来て修学旅行生らしき団体が入れ替わり、慌しい。
もう此処は観光名所になっているのだろう。
この時間になっても晴天は続いて、写真撮影には申し分なく、2日目も順調なロケハン日和が続いた。
狙ってもいないのにF22が目の前を飛んでくれるなんて、どれだけ幸運か。
これも森川公園の「天女」の思し召しなんだろうか。
いよいよ2日目最終目的地の名護市に向かうため、嘉手納町運動場前バス停17時6分発、62系統下りに乗り込む。
先程の路線を戻り、途中「池武当」という沖縄自動車道と交差する場所で高速バスに乗り換えるのだ。
高速バスは1時間に1本。19時代までしかないので早めに動く。
予定通りに池武当バス停に8分ほどで到着。料金は200円。
ここから高速道路に上がるのだが、そのルートに迷う可能性があると予想し、ここの詳細な地図もプリントアウトしてきた。
備え在れば憂いなし。が、迷子になることなく不安は杞憂に終わり、すぐに上り口を見つけた。
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暫く高速道路上のバス停に独り佇み、物思いに耽る。
本当に沖縄の道路は充実している。首都圏並に整備されている。
その理由も大凡察する事が可能だ。
だがそのことは誰も大っぴらに口にしない。それが暗黙の了解になっているのだろう。
17時37分の名護BT行き高速バスに乗り込み、一路名護へ。
次第に暮れてゆく車窓の風景。低いながら山岳地帯も通過する。海岸沿いの発電所らしき建物も立派だ。
18時24分、名護BT一つ手前の世富慶バス停で下車。料金は1320円。下車時に小銭がなく難儀する。路線バス旅行の鬼門は料金支払い時の小銭不足だ。
さて、世富慶バス停から歩いて5分程の所に2日目の宿泊ホテルがある。
国道58号線沿いの海岸に接した場所で1日目よりは旅情がある。部屋も8階で眺望が利き、申し分ない。
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このホテル9階には大浴場があったので利用してみた。
かなり日焼けしてしまって腕がヒリヒリするが、疲れた身体に大風呂は気持ちがよい。客も殆どおらず、これまた独占状態。
夕食はないので、近くのファミリーマートでサンドウィッチを購入。ついでに初音ミクのウエハースも。
沖縄に来てまで普段近所でも買えるコンビニのパンとお菓子で済ます感覚は奇妙だが、疲れていたのでもうこれでいいと思った。
なんとか2日目のロケハンも無事終了。この日も好天に恵まれたことに感謝しつつ、22時前に就寝した。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/