サンタクロースのこと

日常
12 /25 2012
今年もクリスマスが来た。
最近、ふと思うのはサンタクロースのこと。
ツイッターでも呟いたが、自分が通っていたプロテスタント系の幼稚園では、サンタクロースは俗物と非難され、あれは商業主義が生み出した幻であり、本当は存在しないと教え込まれた。
結果、物心付く5歳の頃から「クリスマスは崇高な信仰の日で、プレゼント交換に浮かれるのは悪い行いなのだ」みたいな考えが浸透してしまった。
当然、サンタの存在も否定し、クリスマスにサンタがプレゼントを運んでくる習慣も「子供を騙そうとする悪い大人の仕業」と本気で思っていた。
もっとも洗礼を受けた訳でも、クリスチャンでもないから信仰の義務などない。
クリスマスプレゼント自体は無邪気に喜んでいたので、子供にとってサンタ云々はどうでもよかった。
ただ、やはり幼い頃に刷り込まれた「教え」はなかなか拭えず、今日に至る。

自分がそんな幼稚園に通っていたのは1960年代前半。
当時はサンタの是非等、大した問題ではなく、子供に向かってサンタを否定する「教育」を諭したところで誰からも文句は来なかった。
ところが、昨今の状況を鑑みると「子供にはサンタの存在を信じ込ませるべき」みたいな風潮があって、なんだか吃驚する。
伊集院光の番組で聞いたところによると、ラジオで「サンタは居ない」みたいな話をすると、非難轟々なのだそうだ。
多分、学校や家庭内でもそうなのだろう。
今や、子供に対し、サンタは絶対存在しているという事にしておかねばいけない。
恐らく、幼い子供の居る家庭ではサンタにクリスマスプレゼントをおねだりする手紙を親に寄せるのは一種の必須行事になっているのだろう。
この行事を成立させるには一人の抜け駆けも許されない。
だから、誰一人サンタを否定する事が出来なくなってしまったのだ。
でも、子供はいつか「サンタは居ない」事に気が付かされる訳だから、それがショックでトラウマになる可能性もある。それを考えれば殊更「サンタ至上主義」に走らなくてもいいんじゃないかとも思うが。
自分のように物心付く前にサンタを全否定され、クリスマスプレゼントは親が買ってくるものと解っていた子供とサンタを信じ込まされていた子供との「夢」に抱く温度差は計り知れない。
最近は北米防空司令部がサンタを追っかけるというイベントまであるというが、此処まで来るともう「振り込め詐欺」に近いものがある。

まあ、これも歳末商戦の戦略の一環であるから、子供の夢云々は二の次なのだろう。
クリスマスの楽しみ方は人それぞれ。
サンタを信じようと信じまいと、この日をポジティブに過ごせればどうでもよいのである。

メリークリスマス。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/