「可愛い虚構」の中で滅び行く日本

報道
09 /18 2012
先日、アメリカのブラックユーモア満載のコメディー映画を観た。
その中に描かれた商売上手な東洋人が登場する。
一昔前なら間違いなく日本人だったろう。
しかし、今は中国人が定番である。姿形など欧米人からすれば日本人だろうが中国人だろうが見分けは付かない。
問題は商売相手としてどちらが美味しいかということ。
お金にならない日本人など、もはや見向きもされないのだ。

尖閣諸島の日本政府国有化に発端をみた中国での反日デモと暴徒による日系企業襲撃。
日本のテレビではトップニュースで扱われるが、BBCやCNNでは殆ど流されていないという。

国家間の争いは「先の先」を見越して駒を進めるのが定石であることは子供でも解る。
今回の尖閣諸島国有化は領有権を主張する相手国が次に如何なる手に出てくるかを「先の先」まで見極めて決断したとは到底思えない。
どこかの老害知事が突っ走って始めたスタンドプレーに、状況もわきまえず乗っかってしまった迷走猛進の類だ。
国家戦略とは程遠い、ただの選挙対策。
「外交で弱腰になったら支持率がまた落ちてしまうし、離反者も増える。ここで強気に出ないと我が政党はおしまいだあ」みたいな感じだったのだろう。
零落れた政党の無能ぶりが、ますます日本を破滅の奈落に導く結果を招いているとも気が付かずにね。
無能にも拘わらず何かしようと動き出せばゼークトの「組織論」を引き合いに出すまでもなく、ろくなことにはならない。
「無能な働き者」は「即刻銃殺せよ」とゼークトは語る。
つまり即刻、断を下さなければ取り返しのつかない事になるということ。
しかし、今、この日本に偽政者たちを排除する手立てはない。
それどころか何よりも救国を断行できる「有能な働き者」はこの国に存在しないのだ。
旧与党の面々を眺めても、これらに救国者の資格があるとは到底思えないし、第3極といわれる勢力も胡散臭い連中ばかり。
議席目当ての日和見主義者やタレント崩れの山師のごった煮にしかみえない。
こんなものが中国共産党に対抗できるとは夢にも思えぬ。

もはや、すでに情勢は決していて、あとは時間の問題になりつつある。
「先の先」をもし日本が見極めて動いていたのなら政府は欧米に対して密かに周到な根回しを実践し、中国に対し包囲網を予め敷くであろう。
すれば尖閣国有直後にアメリカ政府は断固日本支持の声明を上げ、欧米各国のメディアも平行して同様の日本支持を伝えるだろう。
ところがそんな気配はいっさいなし。
日本と安全保障関係にあるアメリカであれば当然「尖閣諸島の領有権は日本にあって如何なる中国の主張は無効だ」と意思表示するのが筋であろうにも拘わらずにね。
それどころか、米国防長官は「日中共に冷静になるべき」と言い放つ。
つまり、アメリカも尖閣諸島は日本固有の領土と看做していないのである。
要するに日本政府は最初から欧米各国を味方に付ける手立てはなかったのだ。

なぜ、アメリカは尖閣諸島を日本領と主張してくれないのか?
なぜ、欧米メディアは中国の日系企業に対する狼藉を報道してくれないのか?
その理由は明確。
中国は今や日本に代わる「お得意様」だからだ。
ろくに金もない零落れ日本に肩入れする筋合いはない。
「お客様」の意見は真摯に聞くのが商売の鉄則。
「お客様」中国が「尖閣は我々のもの」と言えば当然、そちらの主張を取り入れよう。
だから、中国本土での反日デモや日系企業襲撃も、欧米のメディアは無視する。
それどころか中国民衆の決起は「日本帝国主義の再来を阻止して抗議の声を挙げる正しい行ない」とか「尖閣国有化は日本の傀儡国満州建国と同じ」とまでキャプションを付けるメディアまであるという。
欧米人にとって日本人など旧来から卑しく野蛮な「イエローモンキー」に過ぎないから、日の丸が燃やされている映像は「いい気分」であろう。
戦後は商売相手として仕方なく付き合っていたが、金のない日本人などそれこそただの「黄色いサル」。中国人も似たようなものだが新たな商売相手として重宝しなければならない。
とにかく、卑しい守銭奴日本が己の手を汚さずに潰されている様は欧米人にとってこの上なく喜ばしい出来事なのだ。

結局、この件に関して「先の先」を読み、欧米各国に周到に根回ししたのは中国のほうだっだと結論付けてよかろう。
日本はもう2度とこの件で主導権は握れまい。完全に世界世論の包囲網に敷かれてしまったのだ。
シナリオはすべて中国が描いている。
無能日本政府の対応はただ「遺憾」という何の効力もない言葉を繰り返し、中国の仕掛けた泥沼の中でもがくだけ。
哀れな子羊の如くね。

すでに次の一手が始まっている。
中国は大漁船団を尖閣近海に派遣するという。
無論、領海まで侵入してくるだろう。
もし、日本の巡視船が妨害したら「中国漁民の生命財産を守るため」と称して武装艦艇を差し向けるはずだ。
当然、日本側と武力衝突が起こってもおかしくない。
しかし、中国はそれも織り込み済みであろう。
チキンな日本行政府はこの時点に至れば尖閣国有化の撤回を申し出ると見込んでいる。
このままであれば中国に進出している日本企業の権益が失われるし、当然財界から突き上げが起こるだろう。
アメリカも尖閣を武力行使までして守る気は更々ないし、欧米世論も中国支持だ。
もはや、残る選択肢は国有化撤回しかなくなる。
かくして、この騒動は中国の完全勝利として終息するだろう。

次なるは中国による尖閣の実効支配だ。

こんなシナリオは馬鹿でも書ける。
そんなレベルのシナリオにまんまと載せられた日本政府が更に愚かだっただけだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
だから「馬鹿は死ななきゃ治らない」のである。

もはや零落れた日本にまともな外交戦略など実践できる余地は存在しないだろう。
そもそも「日本固有の領土」なんて考えはナンセンスだ。
領土など時の力ある勢力が実効支配するものに決まっている。
この期に及んでそんな当たり前の事すら悟れない日本が馬鹿なだけなのだ。
日本の愚鈍で無能な政治家、偏向メディア、偏向知識人はこの「現実」から身を背け、存在しない己の「可愛い虚構」に日本人を向かわせようとしている。
領土保全や邦人保護、国外権益が危機的状況に至るこの期に及んでも尚、その「可愛い虚構」の中でアメリカの垂直離陸機に悪霊が宿っているかのごとき原始宗教祀りに血眼になっている様はもう笑うしかない。
どこぞの未開人か?

遅かれ早かれこの国は中国共産党の軍門に下る。
未開人は闘争を実践する者に支配され、滅ぼされると歴史が証明している。
あとはそれがどんな形になるかだけだろう。

日本が滅ぶのも時間の問題だ。
高度成長期は泡沫の夢だったのである。
これからは某国の奴隷民として江戸時代レベルの生活を強いられよう。
覚悟しておいたほうがよい。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/