高校球児と元アイドルと黒人大統領

報道
08 /11 2009
テレビを灯すと高校野球をやっていた。
メディアはよく高校球児を「さわやか」と表現するのだが理解に苦しむ。
まったくの欺瞞であることに疑う余地はない。
それと同じくアイドルが「清純」であることもまたあり得ない。
手段を選ばず多くのライバルを掻き分けてのし上がる「弱肉強食」の世界で「さわやか」な奴や「清純」な者が生き残れるはずはないのだから。
汚らしく獰猛で野蛮な気質こそが栄光を勝ち取れる術だ。
だから高校野球の指導者は皆、人相が悪い。未成年を虐待同様の手段で叩き上げ、「野球ロボット」「野球人形」として肉体精神改造しないと日本の野球は世界で通用するまでには至らない。
しかし、それは同時に「人間性」を否定し盲従を強いる暴力と脅迫に基づく強制によって「ロボトミー」を作り出すことに他ならない。
だから指導者は皆凶悪犯のような人相になり、「球児」は皆マネキンのような没個性の無表情な「家畜」と化す。
芸能人もまた、良家の満ち足りた子息がトップタレントに成れた例は聞かない。ろくでもない世界にいる方が伸し上がったりするものだ。
マトモな人間ではこの世界生き残ってはいけない。どこかイカレテいるから人心を惹きつけるのだ。
ではなぜ、そんな異常な非人間的世界を「さわやか」とか「清純」というオブラートで包もうとするのか?
そうしないと「世間体」に何かと都合が悪いからだ。
額面通り、「ここは汚らしい野蛮な世界です」なんて晒したら誰も寄っては来ないし、商売にもならない。
スポーツも芸能も「夢」を売る商売だ。
「夢」は常に奇麗事で彩られていなくてはいけない。
だから、スポーツ芸能界は常に嘘と欺瞞で繕われる。
この世界の人間は「まともではない」から麻薬ごときで驚く必要はない。抜き打ち検査したら恐らく程度の差はあれ、9割方は麻薬経験者だろうと推測する。ではなぜ表面化しないかといえば、利権が絡んでいるからで事を大きくしない「暗黙の了解」がどこかにあるのだろう。
昨今、マスコミを賑わしている元アイドルの不祥事も、普通だったら無きことになっていたろうが、何かと総選挙が近づいている折、このアイドルが所属していた事務所の先輩にどこぞの県知事が居ることもあり、その辺り「政治策謀」が絡んだのであろう。
元アイドルといっても、そんなビッグネームとも思えないし、すでに旬を過ぎた芸能人にこれほど騒ぎ立てる理由があるとしたら、おそらくこれ位しか思い当たらない。
もっとも「喉もと過ぎれば暑さ忘れる」の諺のごとく、酔っ払って全裸になったアイドル同様、しばらく経てば何事も無く芸能界に復帰することもあろう。
この事件もまた、この元アイドルにとっては効果的な「プロモーション」に過ぎないのだ。
そのうち「麻薬没滅キャンペーン」タレントとして復活する日も近い。
まあ、そんなものである。

スポーツ芸能界が「さわやか」でも「清純」でもなく、汚物にまみれた監獄であることは論を待たない。
と同時にこの「胡散臭さ」は終戦が近づくと風物詩のように湧いて出てくる「反戦」「平和」のお題目と共通するものがある。
某アメリカ大統領が「核廃絶」を訴えたところでそれが「本音」ではないことを知りながら、恰も世界平和を呼びかける聖人君子のごとく錯覚させて報道するマスコミの姿勢もまた、元アイドルを「清純」と決め付ける様と同じ胡散臭さで充満している。
この世界が累々たる闘争の犠牲者の上に成り立ち、その「弱肉強食」の頂点に己の存在があるという「真理」からすれば核兵器もまた必然だったという事実。
しかしメディアは美辞麗句だけを並べ、ただ「核廃絶」すれば桃源郷がやってくる等というデマを流してお茶を濁すだけ。
昨今のメディア報道は「平和」をアイドルや高校球児同様純粋で無垢なものと勘違いさせる過ちを繰り返す。
スポーツ芸能が「夢」という常に奇麗事で彩られていなくてはいけないのと同じく「平和」もまた奇麗事に収めておかねば成立しない。
そんな虚像に国全体が頼るようになったらもうおしまいだ。
総理大臣が原爆慰霊祭に出席するようになった頃から、この国は「嘘と欺瞞」に縋る醜態を世界に晒すことになった。
あの元アイドルと同じようにね。
アメリカ大統領は本気で「核廃絶」など微塵も考えちゃいないのに、それを真に受けるのはアイドルが「清純」と信じる愚かさに似ている。
あれは街中でよく目にする「人類皆平和で仲良く」という胡散臭い張り紙と同様、ただの「念仏」に過ぎない。
いずれ裏切られ、惨めな思いをするのは目に見えている。
高校球児はろくでもない連中だし、アイドルも半分廃人みたいなもの。そして核廃絶を訴える指導者も結局は戦争に頼るのである。
賭博が禁止されているのに駅前に堂々と賭博パチンコが店を構えているのと同じようにね。
スポーツも芸能も国家も生き残るためには手段を選ばない。
綺麗事で歴史が作られた例はないのだ。

元アイドル不祥事も原爆投下も根っこは同じ。
むしろ最も人間らしく微笑ましい出来事じゃないだろうか。
2009年夏はピカドンのりP夏祭りだ。
浴衣姿のノリPがヒロポンを打ちながらキノコ雲を中心に盆踊りを披露する。「エノラゲイ」の生き残り搭乗者も輪に一緒に加わろう。
「ピカドンピカドンノリP音頭でピカピカドン。みんなケロイド禁断症状。これがホントのノリPランド」
こんなお祭り、楽しそう。
みんな一緒にハイになってメガトン爆発だ!

ハイといっても「死の灰」だけどね。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/