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夢の中のビジョン

日常
06 /11 2012
まどろみから目覚め、ふと外を見ると生い茂った庭の緑。
気が付けば何回目の夏が巡ってきたのだろうか。
日齢を調べられるサイトがあって、そこに生年月日を打ち込むと生まれてから何日経ったか解る。
自分の場合は19162日。
これが多いのか少ないのかピンと来ない。
ところで1日の睡眠時間を8時間とすると、この1万9千日余の凡そ3分の1は眠っている計算だ。
つまり6387日分は寝ているということだ。

睡眠とはなんぞや?
脳を休眠させ、リセットする時間と普通は推測する。
しかし、それは脳が覚醒している時間をメインとして導き出された解であって、睡眠中も脳は何らかの能動的パフォーマンスでプログラムを走らせているのかもしれない。
むしろ、睡眠中の脳こそが本来のあるべき自分のビジョンを描き出している可能性は捨てきれない。

現実と夢想は常に脳の覚醒と睡眠の狭間で揺れ動き、時には入れ替わっているのではないかと思うことがある。
今ある自分というものは、かつて若かった頃、望んでも得られなかった渇望の末に現実化させた世界だと仮定してみる。
一方でその願望現実化の代償として失われた「もうひとつの自分」が夢の中に封じ込められているんじゃないかと。
この両方は常に夢と現実の間で相関関係にあってバランスを取っている。
つまり、睡眠中の夢もまた、現実と同じく現世に存在するビジョンなのだ。
自分の過去の全ては胡蝶の夢に過ぎず、現実には存在してはいないと錯覚することがよくある。
そして、今ある自分も実はかつての深層心理の中で造られたイミテーションに過ぎないのではないかと。
今、己の知り合いやモノ、風景、見るもの触るもの感じるもの全てが「何者か」が用意した「夢の小道具」に過ぎず、自分はただ釈迦の手の上で弄ばれている実体のないプラズマの類なのかもしれない。
現実が虚無化すれば、むしろ夢のほうがリアルな世界として己の中で反映される。
磁極の逆転の如く、磁力線の向きが反転し、夢から現実に流れていた時間線が現実から夢へと逆流する。

こんなことを考えたのは、日曜日に地上波テレビで放映されていた『インセプション』という映画を観たからでもある。
脳が覚醒中のビジョンや五感を「現実」とするか、レム睡眠中の夢のビジョンを「現実」とするかは相対的な概念に過ぎない。
最近、睡眠中の夢が時系列の特定されたビジョンに固定される傾向が多くなった。
夢の大半はランダムで混沌として因果律が正しくない予測不可能なものばかりだが、なぜが最近は妙に秩序立って決まり切ったビジョンの中で展開するようになってきた。相対的に現実のほうが混沌として先が見えない雲を掴むような日常に陥っているような感すらある。

かつて縄文時代の民は覚醒と睡眠に隔たりはなかったという。
眠りの世界もまた意味を持っていた。
現実の世界で何らかの損傷や欠損が生じた分、睡眠中の夢で補完修復を行なっていることは疑いがない。
現世全て己の脳が見たり感じたビジョン。
己の脳が機能停止すれば世界は終わる。
しかし、世界は己が死んでも存在し続ける(はず)だ。
だがそれを証明した者は誰も居ない。
己が死んだ後、世界が存在し続けることを確かめることは不可能だ。
では己が住んでいる世界とはいったいなんぞや?
それこそ、何者かが造った「箱庭」だとしたらその創造主は何処にいる?

映画『インセプション』では人の夢を共有し、更なる夢のまた夢の中にまでダイブして人のアイデアを盗み出すというお話だった。
荒唐無稽ではあるが、この映画を眺めつつ、最近の己の夢はまさに自分が自分の夢にダイブして己の補完修復を図っているかのごとき様相をみせていたので、非常に興味深かった。
6387日分の睡眠時間で垣間見たビジョンの中に閉じ込められた己の理想。
これもまた、もしかすると誰かが仕組んだトラップかもしれない。
それを確かめる術は何処にもないのだが。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/

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