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もはやヤマトに搭乗する「旅立つ男」に紅いスカーフを振る女はいない

アニメ
04 /09 2012
アニメ「宇宙戦艦ヤマト」第1作シリーズのリメイク版が制作されたようだ。
タイトルは『宇宙戦艦ヤマト2199』。動画サイトにはプロモーションビデオがアップされている。
期間限定で公開された第1話の冒頭部分も観た。

1974年だったか。
日本テレビ系で日曜夜19時半より放映された最初の『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ。
当時、中学2年生だった14歳の自分に強烈に訴えかけるエポックメーキングな作品だった。
「テレビ漫画」は子供のものであり、中学生になったら卒業するというのが世の常識だった時代。
しかし、この作品はその常識を覆した。
今日におけるアニメコンテンツの基礎であり、原点であり、すべての始まりだった。
テレビがまだ家庭に一つの時代。
当然、家庭用ビデオなんてまったく普及していない。
チャンネル権をどうやって確保したのか覚えていないが、最初に観たのは第3話辺りだったか。
冥王星会戦のフラッシュバックシーン、遊星爆弾の着弾と閃光、吹き飛ばされる地殻、女声のハミングをバックに悲壮感溢れる男声のナレーションが14歳のハートを打ちのめした。
地球滅亡まであと何日と告げられ、エンディングの「真っ赤なスカーフ」が流れると興奮冷め止まぬまま、自室で今日のストーリーを反芻する。
そして何かに取り付かれたのごとく、オリジナルの宇宙艦隊の絵を落書きしたあの頃。

今、改めて第1作シリーズを観ると表層上の作画の荒さや設定上の矛盾があるにしろ、作品全体の持つエネルギーから比べれば大した問題ではない。
「宇宙戦艦ヤマト」が日本アニメ史を飾った金字塔であることを揺るがす理由はなにもないのだ。
イラストは4年前に発刊された、むらかわみちお氏主宰のヤマト同人誌に寄稿したイラスト。
ヤマトカラーa
2012年に、その「金字塔アニメ」がリメイクされる。
そこに「あの時代の夢を今一度」なんて期待を籠める必要はない。
かつての「戦友」が靖国神社に集い、「あの頃はよかったのう」と回顧反芻する拠でよいのだ。
どんなに細かい設定を再構築しようと、CGを駆使して作画レベルを上げようと、1974年当時のパワーは宿らない。
無骨な松本零士キャラは洗練され、手書きのセル画に代わってコンピューターで作られた宇宙艦隊の動きは正確無比ではあっても、血湧き肉踊る「心の叫び」が伝わって来る事はない。
まるで紙風船のごとき軽い宇宙艦隊の動きは耐え難いものがある。

しかし、それでいいのだ。
今の時代、それ以上のことをどうして求められようか?

日曜の19時半という「ゴールデンタイム」に放映された初代『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ。
本格的SF抒情詩を「テレビ漫画」に託し、男は「戦士」、女は「銃後」という昭和初期の価値観を真正面から描く事を許され、それが全国ネットで最も視聴者を稼げる時間帯に問う事が出来た作品。
それが自分の知る初代『宇宙戦艦ヤマト』だ。

だが、2012年に、そのような機会をテレビアニメが得られる環境は皆無。
今の地上波テレビゴールデンタイムは「女子会」生理二日目の匂いが支配している。
「SFアニメ」と類される作品は、一部のマニア向けに深夜時間帯、人知れず放映されているに過ぎない。

今後、『宇宙戦艦ヤマト2199』がどの時間帯で放映されるのかは知らない。
もっともネットの台頭によって「メディアの雄」の座から崩れ落ちたテレビに時代を動かす力はなかろう。
1970年代、テレビの申し子によって支持された『宇宙戦艦ヤマト』。
だが、今の世に地上波テレビで『宇宙戦艦ヤマト』がリメイクされても時代の寵児にはなれない。
『3丁目の夕日』と同じく、回顧のための慰みものとして反芻されるだけで終わる。
それが2012年の初代『宇宙戦艦ヤマト』の使命だ。

もはやヤマトに搭乗する「旅立つ男」に紅いスカーフを振る女はいない。




あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/

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