3丁目のアナログ

ラジオ
03 /16 2012
書棚の奥に突っ込んである1980年代のFM誌をたまに引き出して読むことがある。
ネットも携帯もデジタル携帯音楽プレーヤーも存在していなかった時代、CDからカセットテープにダビングする事が最新トレンドでCMコピーも「CD録るならアクシア」みたいなのが流行っていた頃。
FM放送からエアチェックすることもまだ廃れてはおらず、FM誌にはどの番組に何の曲がいつ流れるかを記載した番組表が掲載されていた。
アナログカセットの様々なアイテムが店頭に並び、デッキの良し悪しやFM放送の受信テクニックによって録音の質に大きな差が出た時代。
思えばアナログ音声というのはユーザーの工夫次第でクオリティーを調整できる真に面白い媒体だった。
今、当時の様々なアナログカセットを再生してみると録った人の機材や環境によってまったく音質が異なっている事に気付く。
デジタルの場合は誰が録っても同じだし、機材の音質の差など無いに等しい。
録れているか否かの差だけ。
世がデジタル一辺倒になって知るアナログのありがたさ。

1980年代のFM誌には、そんなアナログティックな機材の記事や広告で一杯だ。
FM放送も1985年にFM横浜が開局して、やっと首都圏民放2局目という時代。
それまではずっとFM東京だけだったのだ。
当時のFM番組はJ-WAVEがはじめたゾーニング編成のような番組間が曖昧な作りではなくて、それぞれの番組が独立して個性を競っていた。だから番組自体が記憶に残っていく。
FM誌に掲載されている番組表を改めて読むだけでも当時の記憶が甦ってくる。

あの頃、FM誌を購読し懸命にエアチェックしていた者たちはどうしているだろう?
誌内に掲載されていた広告のカセットデッキ、チューナーは今、どこにいってしまったのだろう?
膨大なエアチェックテープに眠る当時の貴重なFM放送の音声もこのまま朽ちていくのか?

イラストは1980年代後半にFM横浜で土曜お昼前に放送されていた「ライドオンオートバックス」という番組をイメージしたもの。
ライドオン1203色a
過去、度々ブログで取り上げたことがある番組だ。
アナログ全盛期のFM放送は捨てがたいものがある。
昭和を描いた映画「3丁目の夕日」の如く、1980年代のFM放送を垣間見る事がそのうちトレンドになる時代が来るのかも。


あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/