「おひとりさま」に緊急人生速報を

日常
01 /19 2012
17日は阪神大震災が起こってから17年目ということで、テレビでも式典の様子が取り上げられていた。
昨年の東日本大震災に上書きされてしまい、やや印象に薄くなってしまったが、災害の様子ははまだまだ記憶に深く刻まれている。

日本で1000名を越す犠牲者を出した地震災害というのは、戦後4回しかない。
その内、南海地震と福井地震はそれぞれ1946年と1948年。まだまだ戦後混乱期。
その次は1995年の阪神大震災まで、ない。
つまり47年間、大規模な人命損失を伴う大地震は起こらなかった。
世界中の火山の10%あまりが集中し、巨大地震を起す海溝が迫っている地震国日本にありながら、約半世紀、巨大地震や都市直下型地震に見舞われなかったのは奇跡と言えよう。
その間に日本は高度経済成長期を驀進した。

思えば幼少の頃から「巨大地震は必ず来る」と聞かされながら青年期、壮年期に至るまで大地震に縁がなかった。
災いは全て映画『日本沈没』などの空想の領域に留まっていたのだ。
それが、高度成長が終わり、バブル崩壊によって日本が傾いてきたとたんに阪神大震災と東日本大震災がわずか16年の間隔で襲ってきた。

神は弱きものを打つ。
太平洋戦争末期、敗色濃い状況になった時、日本には立て続けに大地震が襲っていた。
1943年鳥取地震、1944年東南海地震、1945年三河地震。
いずれも1000名を越す犠牲者を出している。
列島中が戦災の犠牲者で溢れていたのにも拘らず、更に大地震が人命を大量に奪っていたのだ。
これに留まらず、戦後間もない1946年にはマグニチュード8の南海地震も発生。
これでもかこれでもかと敗戦焼け野原日本に巨大地震が幾度となく襲う。
「悪い時には悪い事が重なる」
まさに日本中が「イタコラスイッチ」状態だったのだ。
そして、今日もまた、斜陽がかった日本に追い討ちをかけるように1000名を越す犠牲者を伴った大地震が立て続けに襲う。
この流れが急に停まるとも思えない。

天災、戦争だけではない。
「おひとりさま」増加もある意味、国家の危機である。
少子高齢化を助長して未来に血を受け継ごうとしない独身者が悪い流れを脳血栓のように更に重篤化させている。

そこで妙案を考えてみた。
題して「緊急人生速報」。
緊急地震速報と同じシステムで「おひとりさま」に更正を促すのだ。
「おひとりさま」専用の携帯電話サービスである。

アラフォー独身女性の携帯が突然「キュウキュウキュウ」と鳴る。
びっくりしてチェックすると厚生労働省からのエリアメールが。
内容はこうである。
「閉経まであと879日に迫りました」
これを受け取れば、己の人生の締め切りが迫ってくる事を数字で実感できる。
これと同じく、「更年期障害速報」や「勃起不全速報」等を作って独身者の危機意識を促すのである。
もう、ここまでしないと日本は立ち直れない。
大地震や戦争の禍に襲われる前に、自滅してしまう。

「緊急人生速報」システムの完成を一刻も早く願う所存である。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/