ポカポカ綾波

エヴァンゲリオン
06 /29 2009
新世紀エヴァンゲリヲン新作映画「破」を観る。
どうせ観るなら情報が広がらないうちにと初日に映画館に足を運ぶ。
場所は例によって新宿東急ミラノ座。これまで繰り返しエヴァを見た場所だ。「エヴァ」に関しては正直感覚が麻痺しているので開き直ってここにする。
いや、ここしか思いつかなかっただけ。
ミラノ座前では何やらエヴァのイベントが開かれていた。窓口でチケットを買って入場。前売り券は特典付をローソンで予約していたのだが未だ取りに行っていない。どうせまた「箪笥の肥やし」になるからいいか。
初日のため当然混んでいるが座れないほどではない。
客層は若い人が殆ど。最近は「ヲタク」と「非ヲタク」の差があいまいでもはや混沌としている。家族連れや年配者の姿は殆ど見受けられないが。
映画が始まる。
「序」ほどの抵抗感はなかったがやっぱりこの場に居ることが時々耐え切れなくなる事がある。
内容に関しては敢えて言うこともない。
これは「新世紀エヴァンゲリオン」ではなく、「エヴァンゲリヲン」だ。
「エヴァ」の製作者が、ある意味自ら「自主製作映画」に近い形で同人誌のごとく「2次創作」している感覚。
もはや「エヴァ」はブランドであり、優良商品であるから造り手も受け手も一種の祭りとして「反芻」を楽しんでいる。
かつてオリジナルの「エヴァ」が背負っていたルサンチマンは消え去り、「愛は地球よりも重い」という「宇宙戦艦ヤマト」以来、使い古されてきた「お約束の」テーマに収まっている。
そのことに対して賞賛も批判もしない。
そんなことはもはや無意味だからだ。
映画が終わると拍手と歓声が上がった。仕込だったのかは知らない。たぶん自然発生的だったのだろう。
映画とその関連イベントを如何に楽しむかという「祭典」としての「エヴァンゲリヲン」は日本サブカルチャーの一角に強固な橋頭堡を築いたことは確かなようだ。
後はただ、自分がこの祭りの渦中に居ることにどれだけ耐えられるか否かだけ。
コミカルなシーンでも一切くすりとも笑いが漏れない劇場内で「信者」たちと共にただ黙々と映画を見続ける「儀式」に参加出来るか否か。
そして自分がスクリーンの向こう側、すなわち造り手のポジションにいないこと、見る側で燻る事に耐えられるか否か。
ただそれだけのこと。
耐えられれば若い頃のようにグッズを買い揃えたり、何回も映画館に足を運んだり趣くままに楽しめばいいのだ。
「エヴァ」がサブカルチャーの一翼を担い続ける限り、これから何回でも再構築されたパラレルワールド的「エヴァ」が作られていくだろう。
それに永遠に付き合っていくことが出来れば案外幸せというものだ。
よぼよぼになって綾波レイのフィギュアを握り締め、2049年公開「エヴァンゲRIOン駅前NERV綾波還暦のお祝い」の初回特典目的で行列に並んでいる時に映画館前で死ぬのも一興かもしれない。
ポカポカになれるよ。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/