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マグニチュード8.8地震が来た

地震、火山、気象、自然災害
03 /12 2011
11日午後。まだ寝床。隣接する学校の校庭で交通安全のイベントをやっているらしく騒々しい。
まだ眠いのに安眠妨害。そんな感じでまだウツラウツラしているとグラグラ揺れ始める。最初は緩やか。
「宮城沖の余震か」程度の気持ちで尚も寝床に引き篭もる。
しかし揺れは少しづつ大きくなり棚からモノが落ち始める。
「これは起きたほうがいいかな」と思う間に横揺れは激しさを増す。そのうち棚という棚からバラバラと雪崩のようにモノが崩れ始めた。
「これはちょっと尋常じゃないぞ」
今にも倒れそうなラックを支え、揺れの収まりを待つがいっこうにその気配はなく揺れ続ける。それもどんどん大きく。
部屋はもはや総崩れ。なんだこれは?なんで収まらないんだ?
脳裏に家の倒壊が過ぎる。ここは2階だから潰される事はないが、しかしこれはまずい。
ついに恐れるものが来たかのか?
埃臭い。これは普通の地震じゃない。危険だ。
いい加減、止まらんか!
そのうち、やっと振動が緩やかに。
とりあえず倒壊だけは免れたようだ。
これまで、もし大地震が来たらどうするかをなんとなくシミュレーションしてきたが、それを今や反芻する時が来た。
いざと言う時はこれとこれと持ち出すと。
だが、実際こんなときが来たのか?
本震は収まるもひっきりなしに余震は続く。収まる気配は無い。部屋は棚からの落下物で埋め尽くされている。足の踏み場も無い。本、カセットテープ、CD等諸々がごちゃごちゃに。
こりゃ酷い。
とにかく情報を入手しなければ。
停電はしていない。ライフラインは取りあえず問題ないみたいだ。
まずメガネを探す。幸い壊れることなく発掘した。
すかさず、ウエストバックに入れているアマチュア無線機のスイッチを入れる。特に慌しい交信などはない。付属のラジオをONにしてNHKを聴く。
すでに大津波警報が。マグニチュードは7.9。震源はやはり三陸沖。これが本震か?
更に携帯とパソコンを探す。
これもなんとか発掘出来た。おもむろに親族から安否の電話が。
都内に外出中とのこと。簡単に繋がったのでこれは意外だ。
知り合いの何人かにメールを入れる。
一旦、1階の様子も見なければ。足の踏み場もないがこういうときはサンダルを用意しないと怪我をする。
しかし落下物の中を探るがみつからない。
仕方なく恐る恐る階段を下る。1階はそれほど酷い状態ではない。飼い猫もいつものとおり湯たんぽの上にいた。テレビをつけると東北地方の惨状が。
と、また激しい揺れが。
余震にしては強すぎる。ここは1階だから倒壊すれば閉じ込められる。
あわてて外に飛び出す。
樹木やアンテナが激しく揺れている。
でも近所を見ても誰も居ないし落下物や壊れたものも無い。
どうやら「惨状」は屋内だけに限られているようだ。
スリッパを履き、自室に戻りパソコンを発掘してツイッターを見る。次々様々な情報が飛び交っている。それを確認しつつ状況を把握する。揺れはずっと続いている。まるで「日本沈没」の1シーンだ。
マグニチュードは8.8に修正されていた。都内でも被害が出ているらしい。電車も止まっている。
夕方、やや落ち着いたところで部屋の片付けに着手。棚の8割は落下していた。エヴァのフィギュアも見事にバラバラ。
しかし棚が倒れなかったのは一応耐震金具を設置していたおかげか。
崩れた物品の中から忘れていたモノが発見されたりする。
結局なんとか片付け終わったのが夜中の1時頃。
早稲田通り沿いのコンビニに行くと弁当とパンの棚は空っぽだ。
片付いた部屋を見て思うこと。
人はとにかく「現状回復」を望む生き物なんだと。
とりあえず、家が壊れることもなく万年床も元通り姿を現した。
ガスは止まっていたがリセット処理をして事なきを得る。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/