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「神」は気紛れに人を翻弄する

地震、火山、気象、自然災害
02 /24 2011
ニュージーランドでの直下型地震報道を見ていて思ったこと。
あの一瞬の激震の場に居合わせる確率は如何程だろう。
日本もニュージーランドも地震国だが、僅かの滞在期間に直下型大地震に遭遇する確率は、どう考えても母国日本に居る時よりも遥かに低い。
それもクライストチャーチという比較的地震が少ない地域で、よりにもよってあの瞬間に耐震性のないビルの中に滞在するという確率はもはや天文学的だ。

阪神大震災が起こる以前は「関西は地震がない」と言われていた。
東京に居るといつ大地震に見舞われるか解らないが、少なくとも近畿地方にいれば地震で死ぬことはなかろうというのが定説だった。
この世は常に不条理であり「現実は小説よりも奇なり」である。
地球の歴史からみれば人の寿命など一瞬の瞬きに過ぎぬ。
人間の歴史の尺で大地の脈動など測れはしない。

尋常でない場に居合わせる事象は、長い人生の中で幾許かは存在しよう。
しかしそれが己の生死に関わる事例は極めて稀有だ。
いや、もしかすると単に本人が気づいていないだけかもしれない。
伊集院光がラジオで喋っていたが、己の上空を飛んでいた飛行機のケーブルが僅か一瞬タイミングがずれただけで切断され、搭載していた荷物が真上に落下する状況も存在したかもしれぬ。
ただ本人には解らないだけだ。
「運命」とは真に不可思議。

生死を分ける瞬間を「ナニモノか」が司っている。
そう思考する果てに人は「神」を見出す。
その「神」は気紛れに人を翻弄する。
そんな「見えざる神の手」が常に働いているのだ。
今、この瞬間にも。

「人」は永遠に「神」には追いつけない。


あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/