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草食系男子の嘘

日常
02 /08 2011
これまたどうでもいいことである。
下らない事しか書いてないので真に受けぬこと。

「草食系男子」
今更話題にするのも恥ずかしい。
こんな垢に塗れたキーワードであるにも拘わらず、今でもちょくちょく耳にする。
あまり異性に関心を持たず、ガツガツしない男性のことを言うらしい。
草食動物に失礼だろう。
草食動物のオスだって発情期にはメスを巡って壮絶な争いを展開する。
鹿などは角をぶつけ合って、時には生死を賭ける。勝ったオスはメスを総獲り出来るが、負けたオスは惨めに退散するしかない。
そして敗北したオスは子孫を残す権利がない。

異性に関心を持たないオスなどオスとは言わない。
遺伝的例外か、あるいは病気かのいずれかだ。
性欲は、本能であって嗜好ではない。
種の存続に不可欠な先天的プログラムのひとつ。
食欲、睡眠と並ぶ3大欲。
もし「食べる事に関心がなくなった」「寝ることに興味がない」と訴えたならば、即ちすぐに病院で診察を受けるべきである。
遅かれ早かれ死が待っている。
同じく「性欲がない」ことも生命の危機の一つ。
もし「草食系男子」がそのような状況下のオスならばただの「病人」である。
放置したら死んでしまう。
そんなの誰が奨励するか。
そもそもそんな男子は普遍的には存在しないし、増えてもいない。
もし増えているのならアダルトビジネスは枯渇の一途のはずだが、そんな話は聞いたことがない。
ネット内のアダルトサイトアクセス数は今も桁違いに膨大だ。
男から性欲が消えつつあるなんて嘘。
ただのデマゴギーに過ぎない。
だからこの「草食系男子」は決して性欲が減退したオスを指すのではない。
仮に本当にそんな性欲が減退したように見える男子が居たとしてもただの欺瞞である。
すなわち、一見女性に関心がないように見えるのは、恋愛対象外の女性を通して見た「モテる男」の印象風景に過ぎない。
当たり前である。
「モテる男」は己の側に選択権がある。恋愛対象にない女性に拒否権を乱発すれば、拒否された女性から見ると一見「恋愛に関心のない男性」にみえてしまう。
一種の錯覚である。
だからといってその男が異性に関心がないわけではない。
恋愛対象の女性に対しては果敢に受け入れ「貪り喰って」いるはずだ。骨の髄までね。
まるでハイエナの如くガツガツと!
「草食系男子」に性欲がないなんて真っ赤な嘘である。
「草食系男子」という言葉は限られた「モテる男」に群がる「モテない女」たちの自己欺瞞から来た哀しいキーワードなのだ。
身の程を知らない女子達が「最近、ガツガツする男減ったねえ」等と傷を舐めあい慰めあうために編み出した幻が「草食系男子」。
しかし、現実は違う。
一部の「モテる男」以外は、今も昔も地を這う如く必死にメスを追っかけているのだ。
ところがもはやそんな大多数の「モテない男」に女子は見向きもしない。
「モテない男」は最初から恋愛対象外であるから「モテない男」のなかに「草食系男子」は存在し得ない。
ところが一部の「モテない男」は勘違いする。
こんなふうに。
「最近、草食系男子が流行っているというじゃないか。彼女が居ない生き方だって恥ずかしい事じゃないんだ。俺みたいに年齢=童貞暦男子だってやっと認められる日が来たんだ。僕も草食系。よかったよかった」とね。
なんとも哀れである。
この男は「草食系」ではない。
ただの見捨てられた「いらないオス」だ。

いつの世も異性に求められて人の価値は磨かれる。
異性に相手にされぬ人間に価値はない。
「草食系男子」という言葉に騙されて自分を正当化するのは愚かだ。
「草食系男子」とは選ばれし優等男子を示している。決して性欲が減退した男子を言うのではない。
そんなことは皆先刻承知かもしれぬが、メディアの流言蜚語には気をつけるべきだ。
真に受けるととんでもない事になる。
男は穏やかになったなんて嘘。
ごく一部の男に女性が集中した結果。だからこんな胡散臭い言葉が生まれるだけ。
今も昔も「モテない女」はその理由を男のせいにし、「モテない男」はイジイジと石の下の虫のように這いずっていなければならない。

今日の妄言終わり。


あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/