2011年のお正月

日常
01 /03 2011
新年が2日過ぎた。
今年の正月は生活パターンが昼夜逆転。
目が覚めると夕方で、テレビ中継する正月恒例のスポーツも観ていない。
サッカーとかラグビー等、特に好きな訳ではないが御節を摘みながら何となくBGVとして流れている状況が正月であってその雰囲気が味わえぬまま、今年は終わってしまいそう。
あと、早朝に流される初日の出中継とか、教育テレビの新春能とかも見逃している。
ちょっとタイミングがずれただけで正月の空気が吸えない。
初詣も普段なら元旦の未明に行くはずだった。あまり人も居らずゆっくりお参り出来てよい。
しかし今年は元旦の夕方。
妙に込んでいて拝殿前は行列が出来ている。それもヤンママとか柄の悪そうなカップルとかで一杯。
俗っぽい雰囲気で神頼みも陳腐なものに。
昔の正月はもっと濃厚でテレビも面白かった気がする。
テレビの変わりにネットにアクセスしているから普段と同じ。
ネットは別に正月だからといって特別仕様になるわけじゃなく、だらだらやってると365日全部同じだ。
だから敢えて正月はネットを控え、紙と鉛筆を使ってアナログっぽい絵を描いてみる。
徒然とやっていると何となく構想が浮かんできた。
何か出来そうだ。
かといって、そのまま空想の世界に没頭出来た訳でもなく、気が付くとまたネットだ。
ネットは「何かを達成した」という錯覚を与える「麻薬」であって、本当は殆ど生産性はない。
赤血球が運ぶべき酸素の代わりに一酸化炭素を運んでいるようなもので、いずれは中毒死する。
さっき書き込んだメッセージが「50分前」と表示されている。
50分!?ほんの数分にしか感じられないのに。その間、自分は何をやっていたのか?
貴重な時間が生産性ゼロの「ネットダストシュート」に放り込まれていく。
正月にまでネットが侵食してくると厄介だ。

元旦の夜にNHKでなにやら日本経済の行く末みたいな番組をやっていた。
どこぞの経済学者かは知らぬが「景気が悪いから売り上げが伸びないというのは嘘であって、もっと数字を見ろ」とのたまっていた。そして世代別の人口比率を示してこう言う。
「もはや生産世代よりも60歳以上の高齢者のほうが卓越してきた。もう日本に市場を求めるのは無駄だ」
そして生産人口の多い、中国に市場を見出せと。
なんだ。結局、日本はもうダメってことか?
更に「薄利多売」よりも「高利少売」を目指せだとか?
要するにブランド化して商品の価値を高めろと。
これまで大量生産でやってきたのを方向転換せよということらしいが、上手くいくようには思えない。
そんな「高利少売」で上手くいくような商品どれだけあるんだろうね。
自動車産業に代わってそんなのが「基幹産業」に成り得るとはとても思えん。
この経済学者みたいな人はスイスの例を挙げていたが、スイスとは人口が桁違いで1億何千の国民を「高利少売」のブランド品で養う事など到底無理だろう。
どっちみち高齢者ばかりになってますます高負担になる日本が生き残る術なんてないんじゃないのか?
赤いりんごを中国で高く売ったところでタカが知れている。
グーグルとかマイクロソフトだとか、そういった巨大情報産業を立ち上げない限り、日本に未来はない。
日本のコンテンツ産業がそれにあたるとも思えるが、都条例可決の顛末をみても、もはや行政にその能力や先見の明があるとは思えず、ひたすら「自殺」に向かって突進するかのごとき様相では、もう日本に生き残る手立てはない。
全て手遅れだ。

更に元旦の新聞広告を見ても暗澹たる気分になる。
でかでかとシツコイほど大きく広告を出していたのは某ファーストフード屋。
どうやらこのご時世でも景気がいいらしい。
だが、このファーストフードは所詮、低所得者層の配給食みたいなもの。
「薄利多売」の典型である。
いわば家畜の餌だ。
そんなものが売れたところで、結局日本が乞食国家に成り下がっている事を証明しているようなものじゃないか。
貧民家畜に餌をばら撒いて巨万の富を手に入れ、正月広告でニヤニヤしているこのファーストフード屋の社長の顔を見ていると気分が悪くなる。
因みに自分は体質に合わないのか、この店の商品を食べるとかなりの確率で下痢をする。
だから極力避けている。あとこれを常食としたら自分も家畜の仲間入りになるんじゃないかという恐怖もある。
そこまでは堕ちたくない。
だがいずれそんな「家畜の餌」も食わざるを得ない時が来るのだろう。
来る日も来る日も100円バーガー。そして下痢の日々。
こうして日本人は死んでいくのだ。
嗚呼、イヤだイヤだ。
いつから、日本の正月がこんな陰々滅滅とした雰囲気に包まれるようになったのか。
楽しいお正月はどこにいったのだ?

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/