地に堕ちたマスコミ

報道
11 /06 2010
巷は尖閣諸島での中国漁船衝突ビデオ流出の話題で持ちきりのようだ。
こういった「特ダネ画像」は嘗てマスコミがこぞって狙っていたはずなのだが、今やそのような肝心要の画像はネットでしか見られない。
ふと思ったのだが、自分が子供の頃や学生時代までは「特別報道番組」というものが今より頻繁に流されていた気がする。
社会を揺るがす様々な事件に敏感に反応して、テレビや新聞は懸命にその実態を速報し追求していた。
ところが最近はそのような「特報」がまったく姿を消した。
社会から急報に値する重要な出来事がなくなるはずなどないのに、「特別報道番組」は姿を消す。
要するに伝えるべきニュースを敢えて「無視」するようになったのだ。
人権保護やらあらいる権利関係、利害関係が絡んでもはやテレビは公を映す「公器」ではなくなったのだ。
更にマスコミ自体が「安定企業」と化し、身の保全しか考えなくなった。
そんな地上波テレビに「ジャーナリズム」を期待するだけ無駄だろう。
今回の件にしても嘗てのマスコミならば、あらゆる手段を講じて関係者から「ビデオ」を入手し、いち早く国民の前に新聞、テレビを通じて「真実の映像」を白日の下に晒し、現政権の無能さを全国に告発したであろう。
ところが、今のマスコミに至ってはそんな「当たり前の取材活動」放棄し、ただ当局の流す「官報」だけをダラダラ流し続け、肝心の「ビデオ」はネットからの流出で知る有様。
これでは素人以下である。
もし、この国にまともな報道機関が存在していたならば、ビデオを入手した者の選択肢は迷うことなくテレビや新聞社だ。
だがこの日本に信用に値する報道機関など存在しないから公表の場をネットの動画サイトに選んだわけだ。途中で改竄される心配もないからね。
如何にマスコミ報道機関がまともな機能を果たしていないか、信用されていないか如実に物語っている。
マスコミは恥の上塗りのごとく、ネットユーザーと同じ視点、もしくはそれ以下のレベルで動画サイトに投稿された画像をそのまま流すしかなかった。
もはや今のマスコミに「報道機関」を名乗る資格はない。
かつてベトナム戦争の頃は、戦場カメラマンが活躍し、その写真を報道各社は挙って新聞、雑誌、テレビに掲載放映していた。
それが世論を動かし、時代を変えていったのだ。
それが真っ当なジャーナリズムというものじゃないのかな?
ところが今やマスコミは己の高給を維持せんがため、ジャーナリズムよりも「安定」を追い求め、愚にも付かないどうでもよいようなニュースでお茶を濁し、いつしか身の保全が目的となってしまった。
挙句、視聴者からは見放され、マスコミに対する信用度と期待感は凋落の一途を辿っている。
にも拘らず、未だメディアの雄の地位にあると勘違いしているマスコミは、ネットに嫉妬し醜態を晒し続ける。
今回の漁船衝突映像にしても、国民の殆どが今回の流出事件に「是」の声を挙げているのに、その国民の意に逆らって体制側に付き「御用報道」に終始するしか能がない。
なにせ己の「安定収入」が最大の目的になっちゃったからね。
挙句、「真実」の追求よりも、地に落ちた現政権と共にビデオを流出させた犯人探しのほうに狂奔する。
先刻、民放の報道番組を観ていたらコメンテーターがこんなことを言っていた。
「このビデオは都合のいいところだけを繋いでみせている。真実ではない可能性もある」
笑止千万。
編集改竄は堕ちたマスコミの専売特許だろう。少なくともネットに上げられた「流出ビデオ」の尺は40分近くある。それをテレビ局が編集カットした縮小版とどちらが「都合がよい」のか?
ネットユーザーのほうは「無編集版」を見ているのだ。






信用されていないマスコミが幾ら咆えてももはや軍配は決まっている。
この期に及んで尚も「マスコミのほうが信用ある」などとのたまう姿は怒りを通り越して哀れさすら感じてしまう。
この現象は日本だけではなく、欧米でも同じらしい。
スキャンダルな「内部告発」画像はテレビや新聞などのマスコミではなく、スウェーデンに拠点がある特殊な機関に持ち込まれるそうだ。
「真実の追究」はもはやマスコミには出来ない。
今回の流出ビデオ事件は、如何に現マスメディアが信用に値しない存在に零落れたかを如実に証明したカタチとなった。
「真実」を追究しないマスコミに存在価値はない。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/