「アリス・イン・ワンダーランド」を観る

映像鑑賞
04 /25 2010
先日、「アリス・イン・ワンダーランド」を映画館で観た。
映画自体、最近は殆ど行かないのだが、ティムバートンとジョニーディップが好きな知り合いが居て、たまに誘われる事があり、このコンビの映画は意外とけっこう観ている。
週末の冷たい雨が降る夜、シネコンというのだろうか?複数の映画をたくさんやっている施設で鑑賞。
なんだか昔、夢の中に出てきたような場所でデ・ジャブを感じるのはなぜか?
深夜に近い上映時間帯だったが、金曜日とあって結構人が居た。
今、流行の3D、字幕で鑑賞。受付で専用めがねを借りる。
3Dは、何と言うか、昔「学研の科学」の付録にあった「立体スライド」に似た印象。
確かに立体に見えるが、少々目が疲れる。
映画に限らず、想像力を喚起させる創作物は作品内容が肝なのであり、表層上の刺激的な演出は関係ない。
時として逆に邪魔となる場合もある。
3Dだからといって2Dよりも映像表現が勝るわけでもない。重力系アトラクションに近いので、そういう類が苦手な人にとっては、単に苦痛になるかも。

それはさておき、作品内容だが(ネタばれありなのでこれから観る人は要注意)、自分は特にティムバートンとジョニーディップのファンという訳ではないから、まったく拘りなく観ていたので気が付かなかったが、同行のティムバートンファンにしてみれば物足りないとの評。
恐らく、ディズニー映画ということで「当たり障りのない健全作品」として作らざるを得なかったのだろう。
19歳の少女が大人になるに辺り、かくあるべきみたいな構成で、ルサンチマン的な味付けは一切ない。
反面、当たり障りのない事が並んでいるだけだから安心して観れる。
ラストあたりで、主人公が「不思議の国」から帰還し、様々な現実社会で生きている女性に声を掛けるのだが、その中でいつまでも「王子様」が現れると信じてお嫁に行き遅れの中年女性に対し、「お前は病気だから病院行け」と言い放つシーンは辛らつであった。
その一方で、自分は「キャリアウーマン」を目指すみたいな結末は何とも今風の「出来る女」を応援しますみたいなテーマが如何にもディズニー的。
原作は読んだことがないので比較しようもないが、異形の動物たちがワンサカ出てくるので普通に楽しいのではないか。
先日、DVDで見た同じファンタジーモノの「バンス・ラビリンス」と比べれば、「アリス・・」は限りなく軽い。
もっともこれはダーク・ファンタジーじゃないし、光が当たってる人用の映画だ。
自分はむしろ、作品そのものより、この映画を抵抗なく鑑賞できる「リア充」のお客に囲まれて、そのギャップを肌に感じる刺激が心地よい。
これは、日々充実している人が見て、安心出来る映画なのだろう。
絶望独身男性には「酷」な作品だ。
「リア充」に混じってひっそり鑑賞して、「自分もリア充なんだよう」と己を騙すにはうってつけかもしれない。

映画館を出ると雨は止んでいた。


あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/