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我が友ハエトリグモ

日常
04 /13 2010
先日、多少暖かくなった夜、灯火に小さいユスリカが大量に集まってきた。
仕事場の机の上にたくさん飛んできて鬱陶しい。
暫くすると、一匹のハエトリグモがやってきて、次々にそのユスリカをハンティングし始めた。
目の前でハエトリグモが狩に興じているのを観るのは初めてだったので暫し見入ってしまう。
DSCN9869a.jpg
ハエトリグモは視力が良く、獲物を捕らえる行動は肉食哺乳類に似て面白い。
かつて江戸時代にはこれを「屋敷鷹」として重宝したとか。
仕草も人間に似るところが多い。
ユスリカを捕らえて体液をちゅうちゅう吸った後は、その干からびた残骸をポイと捨て、次のハンティングに取り掛かる。
3時間ぐらいの間に15匹位のユスリカを捕らえ、机の上はさながらこのハエトリグモの猟場と化してしまった。
自分の部屋は築50年の文化住宅。大して改装もしていないから、この部屋のハエトリグモも代々住み着いているようだ。
天井を見るとびっしりハエトリグモの巣が作られている。さながらハエトリグモシティーである。
夏場は網戸がないから鬱蒼と茂る庭から大量のウスバカゲロウ、蚊、ガなどの虫たちが大挙して押し寄せてくる。
ハエトリグモにとって食料は事欠かない。虫まみれの部屋が大して掃除していないのに比較的綺麗なのは彼らが捕食しているからに違いない。
自分もここに50年住み着いているから兄弟みたいなものだ。
まさに共存共栄である。
この部屋のハエトリグモは我が人生をずっと見続けてきたのだろう。
時々パソコンのマウスポインターにじゃれ付いて可愛い奴だ。
我が友ハエトリグモ。
信頼できる奴はお前たちだけ。
もし己がここで孤独死したら大量のハエがやってくるだろうからハエトリグモにとっても暫くは「最後の晩餐」になろう。
同期の桜ハエトリグモよ。
これからも仲良くしよう。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/