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コミックマーケット99お疲れさまでした&謹賀新年

同人イベント
01 /01 2022
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、昨年暮れ大晦日コミックマーケット99二日目にサークル参加。
今回は「ワクチン検査パッケージ」という検閲が設けられたため、様々な敷居の高さに阻まれる開催となってしまった。
まるで捕虜収容所かラーゲリー、ゲットー内の捕虜イベントのごとき息苦しさが開催前から漂っていた。
一般入場者もチケット制で上限5万5千人の入場制限が定められた。
コミケ参加者は皆、映画『大脱走』の連合軍捕虜みたいな扱いだ。
当日朝のりんかい線。
意外にもカートを曳いたサークル参加者の姿は多く、普段のコミケ開催と著しく少ないという印象はなかったが、大井町から合流する一般参加者の数は増えず、電車内はいつものすし詰め状態程ではなかった。
国際展示場駅周辺の喧騒はいつもと変らなかったが、一般入場者の待機列が見当たらない。
やはりいつものコミケとは様相が違う。
ゲートは2段階設けられ、2回目のゲートでワクチン接種証明か陰性証明と身分証明書提示を求められる。
ゲートの数は多く、滞ることもなくスムーズにはけていった。
自分のサークルスペースに到着したのは8時20分頃か。
今回はこの世情を鑑みて一人参加だったので設営準備に時間を食い、開場時間を過ぎても完了せず。
見本誌提出方法も違い、机に置かれた紙袋に入れてスタッフ詰め所に各自持っていく方式。
換気をよくするためか館内扉がずっと開いており、恐ろしいほどの寒風が吹き込んでくる。
ガタガタ震えつつ、体を冷やさぬようカイロやマフラーで防寒に徹する。
まるでシベリア居留地の捕虜収容所みたいなイメージ。足踏みして寒さに耐えるサークル参加者も見受けられた。
10時開場。
もともと西館は東館に比べて人は少ないが、いつもに増して人通りが増えない。
11時を回って若干一般参加者の流入がみられた程度。
周りのサークルを見ても殆ど過疎っていてみんな手持無沙汰。
ただ寒さに耐える時間が過ぎていく。
13時を回って東館からの流入参加者が来て少し賑ったものの14時を過ぎるともう殆ど通路を行き交う人の姿も疎ら。
周辺サークルが次々に撤収作業に入る。
いつもなら16時ぎりぎりまで粘るのだが、流石に今回は自分も15時半前から撤収を始める。
当初から今回のコミケはあまり捌けないと見積もって新刊搬入量も少なく抑えたのだがその予想すらはるかに下回ってしまった。
搬出宅配負担軽減のため、書店委託窓口に在庫を抱えて向うが、委託書店の一つが早々に閉じてしまい搬出出来なかったのも痛かった。
結局、普段のコミケに比べて頒布数は最盛期10分の一レベル。
コミティアすら下回る程。
これではとてもオフセット新刊印刷費を回収できないどころか雑費すら賄えない。
今回は発注の手違いで新刊を一部刷りなおすというミスを冒してしまい、早期入稿割引分が全部吹っ飛んでしまった上の惨憺たる情況にサークル経費の赤字は膨らむばかり。
一部の超大手サークルは例外としても、何とか次回印刷代を賄って活動を続ける中堅レベルのサークルは相当な痛手になっただろう。印刷しても捌けなかった既刊本の在庫が増えていくだけ。
このような制限を設けたコミケットが次回も続くとなると、もう体力のないサークルはオフセット新刊を出す気力が失せてしまう。
当然同人誌印刷業者も痛手を背負う。
いずれはコミケ自体の衰退にも繋がるだろう。
徹夜組や始発ダッシュがなくなったとか過ごしやすいとかいう声もあるが、コミケは「祭り」なのだから「綺麗ごと」だけで成立するものでもなかろう。
「祭り」にははみ出し者も付き物だ。それ含めて「祭り」である。
今回のコミケは二日で11万人が来場。
因みに前回のコミケ97では4日間で75万人。
今回、どの程度の頒布量になるか、実際参加するまで未知数だったが、想定を遥かに下回る情況に危機感が募る。
単純に参加者数と自分のサークル同人誌頒布量が必ずしも比例するとは限らないが、少なくとも参加者制限が相当な影響を及ぼしたことは想像に難くない。
コロナ文革原理主義はこうしてあらゆる文化活動を破壊していくのだ。
3年目に突入した「コロナ文革」。
改めて太平洋戦争以来の「不幸な時代」に生きていることを実感した。
2022年もこの受難は続いていくだろう。
この状況下、それでも我がサークルスペースまでお越しいただいた紳士淑女各位にはこの場を借りて御礼申し上げます。
賀正。

 

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/