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新海誠監督新作『天気の子』を観る

映像鑑賞
07 /20 2019
新海誠監督作品『天気の子』を封切り初日に鑑賞す。
昨日の「事件」直後でもあり雑念等でベストコンディションとは言えなかったが、余計な情報が耳に入る前に観ておきたかった。
JR新宿駅南口の液晶動画広告は全てこの映画の宣伝で埋め尽くされている。
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宣伝には前作『君の名は。』以上に力が入っているようだった。
鑑賞時間帯は19時半から。
初日とあってか席はほぼ満席。
窓口でスポンサーの日清「新海誠ヌードル」なるカップ麺を貰う。
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(ここからはネタばれも含まれるので、未鑑賞の方は注意!)
上映時間は2時間を越える。
あらすじ等の詳細は公式サイトなどをチェックすれば大方解るので省略。
さて、総じての感想は、どことなく昔のATG映画のような貧乏不幸青春残酷物語テイスト臭がして耐え難い。
予告編などで想像していた世界観とは大違い。
ATG映画は生理的に受け付けないのでこういう貧困空気観が漂うのはきつい。
なんで態々金を払って他人の「不幸貧乏話」を観なきゃいけないのかと。
場面設定も新宿歌舞伎町辺りの場末の酒場やBARばかりで辟易してくる。
登場人物も貧相で底辺漂う幸薄そうな者ばかりで陰湿ジメジメ感が漂う。ただでさえ梅雨空が続いているのに勘弁してくれと言いたい位の面々だ。
ストーリー展開も安い刑事ドラマのようで退屈。
映像はいつもの「新海調」ではあるが、内容は暗く『劣化版太陽にほえろ』である。
SFテイストを極力削った分、ただ退屈な「底辺人間ドラマ」になってしまった。
この「つまらなさ」の一因に、主人公が東京に出てきてから世話役として登場する男、須賀圭介の存在だ。
監督が記した映画パンフレットのライナーノートによると、須賀を当初は気象IT研究者か秘密結社の一員として描きたかったそうだ。しかしスタッフの意見は否定的で結果として、なんか冴えない場末の編集プロダクション経営という設定に。
これが、この作品の「つまらなさ」に繋がっている。
IT研究者や秘密結社員であれば、そこからヒロインの天空の人柱たる存在を謎解きしていくSF的面白さに展開していくのだが、場末の編集者ではどうしようもない。
須賀圭介はただ利己心で動いているだけの輩。ろくでもないプライベートに翻弄され場末の新宿で彷徨しているだけ。
ひたすら安っぽさだけが目立って共感すべきところが一切ない。
そう、この人物に限らず『天気の子』には共感出来る登場人物が誰もいないのである。
リア充のくせに貧乏不幸自慢だけは鼻につくという、最も耐え難い連中ばかりなのだ。
この辺りは細田守監督『ミライの未来』と共通の不協和音が覗える。
『ミライの未来』はハイソリア充が耐え難かったが、『天気の子』は貧乏不幸自慢リア従に我慢ならないのである。
そういう空気感が全編漂っているので、雨が降り続く謎とかは正直どうでもよくなり、頭にも入ってこない。
あと前作『君の名は。』の主人公二人もちょっと登場もするのだが、ストーリー上の必然性もまったくなく、意味不明。
ただファンサービスのみで出したという感じ。
ということで、自分にとっては殆ど没頭するシーンもなく、淡々と時間が流れただけ。
新海誠作品の中ではワーストの部類に入る出来かもしれぬ。
兎に角、場面が場末の新宿歌舞伎町界隈が中心だから「聖地巡礼」したい気持ちも湧かない。
下手にうろついたらチンピラに絡まれそうだ。
ぜいぜい歩けるのはJR田端駅山手線沿線沿い位か。
あと六本木ヒルズ屋上に、高円寺気象神社・・。
この辺りは既に随分前に訪れている。

ということで、自分にとって『天気の子』は、いつも妄想力をチャージしてくれる新海作品とはかけ離れた「退屈」で「辟易」とした物語であった。
こういう設定が好みという人も居るだろうから一概には言えぬが、『君の名は。』に比べ、全体的に暗く、不幸感が漂っているのは確か。小さい子供が観てもあまり面白がらないだろう。カップルで観ても後味悪いし、SFテイストが少ないからヲタク系男子にも受けないと思われる。
共感は殆ど抱けなかった。グッズも結局何も買わなかった。
今回、この『天気の子』が果たして『君の名は。』同様にヒットするかは解らない。
関西の事件直後とあって何となく嫌な空気が漂っているのも確か。一抹の不安も感じる。
ただ、名声を得た新海誠監督作品。
世情や内容の暗さに翻弄されることはなかろう。
いずれにしろ、映画館に足を運び、自分の目で確かめることが一番だろう。
クオリティーは高いので観て損をすることはない。あとは好みの問題。

以上、『天気の子』感想終わり。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/