「神の儀」新燃岳噴火

地震、火山、気象、自然災害
01 /29 2011
新燃岳の噴火はまだ活発に継続しているようだ。
やっと27日辺りからマスコミ報道各社も新燃岳に関するニュースを流し始めたが、今やネットを通じて迅速に各方面からのリアルタイムな動画が見れる時代、気象庁や報道機関の発表する情報に頼る必要性は薄れてしまった。
気象庁によると27日午後に初めて「爆発的噴火」を確認したと発表しているが、動画サイトに投稿された画像をみれば、すでに26日には同程度の噴火は始まっていたと判断してよかろう。
また噴煙も高さ2000m程度とか発表されているが、素人目に観ても5000m以上は上がっている。
風がなければ成層圏近くまで到達していたかもしれない。

これをずっと「小規模」と表現し続けた気象庁の感覚は理解しがたい。
もっとも姶良カルデラ崩壊の大爆発に比べれば「小規模」なんだろうが、そういうレベルの問題ではあるまい。
三宅島雄岳噴火以来のスケールである事は間違いない。
広範囲に降灰を齎し、「空振」が九州、四国にまで及び、衛星写真にも噴煙が捕らえられる規模なのだ。
また火砕流も26日の投稿動画に写ってるし、どう考えても気象庁の発表は丸1日遅すぎる。
警報レベルは3のまま。半径2キロ以内立ち入り禁止というが、ちょっと甘い気もする。
栗の実大の噴石が風下に大量に降っているのに特に避難勧告とかもない。
僅かな揺れでキチガイのようにテロップを流すテレビ地震速報と比べると滑稽なくらいの「放置状態」。
有珠山や伊豆大島三原山噴火時は終夜リアルタイムで画像を流していたのにどういう変節なのか?
噴煙で夜のように暗くなった空の下、濛々と火山灰を巻き上げて車が行きかう都城市。
でも何の警報も報道もされていないのである。なかには桜島の煙と勘違いしていた人も多かったとか。
そのお陰かどうかは知らないが、噴火の様子を捉えた投稿動画はほぼ2~3kmの近距離から撮られている様で、好天も相まって素晴らしい噴火の様子がたくさん記録されている。
概ね高画質ハイビジョンレベルだから玄人の火山学者が記録した従来の噴火映像のどれよりも勝っている。




中には地元霧島のグループなのか、感動的BGMまで挿入して夜間の噴火の様子をアップして「観光誘致」に努めているものまである。

それにしても、地球内部から湧き上がるエネルギーの壮観さは言葉で言い表せないほどのスケール。
赤熱した溶岩に火山雷。衛星軌道からも確認できるほどの長大な噴煙。
正に神の儀だ。
15年以上前、火山噴火をモチーフとした作品を描いたことがあった(「永遠の祭礼」あびゅうきょ電子書籍『風の中央鉄道』に収録)。
kazeno_075.jpg
紅い溶岩。うねる噴煙。
人はそれを神の行いに譬え、政(まつりごと)を占う。
火山噴火の壮大さに人々はただ立ち尽くす他ないのだ。
この噴火も千載一遇の「神儀」のひとつ。
出来れば、すぐ側で見てみたいものである。

新燃岳噴火は、今後どのような経過を辿るかまだ未知数のようだ。
溶岩ドームが出来てはそれを吹き飛ばしつつ、噴火をエスカレートさせていくのか、あるいは終息に向かうのか?
専門家にも解らないらしい。
いずれにせよ、まだまだ近距離での撮影は可能なようだから地元「火山ウォッチャー」の方々には安全を留意しつつ一層奮励努力して迫真ある映像をスクープしていただきたい。
もはやマスコミには期待出来ない分、アマチュア映像ハンターの行動力を頼りにしたい。
お金と機材があれば自分も行ってみたいのだが、その全てが叶わぬ状況。
無念である。

あびゅうきょ

漫画家あびゅうきょ
職業/漫画家
ペンネーム/あびゅうきょ
生年月日/19××年12月25日
血液型/O
星座/やぎ座
出身地/東京都
帝京大学法学部卒
徳間書店刊「リュウ」1982年5月号『火山観測所』でデビュー
著書/
大和書房刊『彼女たちのカンプクルッペ』(1987)
講談社刊『快晴旅団』(1989)
日本出版社刊『ジェットストリームミッション』(1995)
幻冬舎刊『晴れた日に絶望が見える』(2003)
幻冬舎刊『あなたの遺産』(2004)
幻冬舎刊『絶望期の終り』(2005)

公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/