マイケルクライトンの
「アンドロメダ病原体」を久しぶりに読み返す。
最近のインフルエンザ禍報道に触発されて小松左京の
「復活の日」も読み返した。
両書とも30年近く前に購入したハヤカワ文庫版なのだがもう何回となく読み返した。
1960年代に書された作品であるにも拘わらずまったく古さを感じさせず、寧ろこれを凌駕する作品は現れていないのではと思うほど良く出来たSFだと感じる。
SFが真っ当な「サイエンスフィクション」として語れる時代の産物だったからかもしれない。
さて、この「アンドロメダ病原体」の後半に興味深い記述がある。
(小説の内容に拘わる部分なので未読の人は注意)
これはおそらくフィクションなのだろうが、アメリカの製薬会社が「カロシン」という薬を開発したという件。
「カロシン」はがん細胞を殺し、ありとあらゆる病原菌を殺して人間を病魔から救う万能薬として期待が持たれた。
しかし臨床実験で処方された患者は病気は全快したものの、体内の有益な細菌まで殺してしまったために抵抗力や免疫機能を失って普段なら無害なはずの細菌に襲われて全員死亡してしまったエピソードである。
本書にはこの危険性を警告した医師の予言をこう記してある。
「彼は人類が何十世紀の歳月の間に、大方の微生物に対する微妙に調節された免疫性を身につけたことを指摘したのであった。ヒトの皮膚にも、空気中にも、肺にも、胃腸にも、そして血液の中にさえも何百種類もの細菌やウイルスが存在している。それらは危険な潜在力を持っているが、ヒトが長年の間に順応性を獲得した結果、今では疾患の原因になるごく小数に過ぎない。
しかし、これは丹念に積み重ねられた平衡状態である。
もしそこへあらいる細菌を殺すような新薬を投入すれば、このバランスは覆され、何十世紀もの進化の結果が破壊される。
そして重複感染・・新しい疾患を担った新しい微生物の問題への道を開くことになるのだ」
(「アンドロメダ病原体」マイケルクライトン作・浅倉久志訳/ハヤカワ文庫)
これを読んで思い起こされるのは昨今のインフルエンザ禍で取り立たされる
「タミフル」という薬だ。
これさえ飲めば新型インフルエンザ予防になるとか盛んに宣伝しているが、前途した小説の記述を思い起こせば如何に「胡散臭い」かよくわかる。
「アンドロメダ病原体」はあくまでフィクションであるが、その元になった「科学的考証」は限りなく真実だ。この小説がリアリティーあふれる作品だったのも作者が現実の科学技術から想定しうる未来を可能な限り精密に組み立てたからだ。
WHOが何を根拠にこんな世界的パニックを起こしかねないような「警報」を発しているのかは知らない。
だが、この「新型インフルエンザ」が「極端に特異なもの」という根拠も希薄な上に、そして重篤者も殆ど居ないのにも拘わらず、「世界的大流行」パンデミックを盛んに騒ぎ立て続けるのはまったく理解しがたい。
もし、理由があるとすれば、何らかの既得権益が絡んでいるとしか思えない。
「タフミル」が特効薬だと騒ぎ立てれば当然、これを作った製薬会社は莫大な利益を上げよう。それに絡んだ政治家もね。
また、インフルエンザ禍により人々が外出を控えれば屋内で仕事を継続させる手段が必要になる。その唯一の方法はインターネットだ。
当然、高速インターネット等のIT関連企業は急速な需要を得ることが出来る。
アメリカの3大自動車企業がことごとく破綻しているにも拘わらずアメリカ国家が比較的冷静で居られるのは、もはや人間自体を運ぶ移動手段たる自動車に未来はないと踏んだからだ。
これからは人間ではなく情報のみを高速で大量に移動させる時代が来る。
そのための「呼び水」としてこの「インフルエンザ禍」が意図的に画策されたのではないか。
こう考えるとすっきりする。
無論この騒ぎによって犠牲となる人間の数は計り知れない。
「タミフル」は実に怪しげな薬だ。
「タミフル」を飲んだ若年層が異常行動を起こして死に至る
事例も報告されている。
それに「タミフル」を飲んだところで新たに抗体をもったウイルスが出来れば意味がない。
またそれに対抗する薬を飲まなければ改善されないとなると、この薬を処方された患者は一生この薬を飲み続けなければ生きていけなくなる。
「タミフル」を売らんがための「インフルエンザ禍」だったとすれば、前途した「アンドロメダ病原体」の「カロシン事件」と同じことが起こるだろう。
「カロシン」は小説の中の架空の薬だが「タミフル」は実際に処方される薬なのである。
こんな「胡散臭い」事例が見え隠れするこの「インフルエンザ禍」を決して真に受けてはいけない。
「嘘と欺瞞」に満ちたパンデミックに踊らされることは自ら「死」を招くようなもの。
自分は絶対に「タミフル」は飲まない。
これを飲んだら最後、普通の風邪を起こすだけのインフルエンザに殺されてしまうだろう。
「タミフル」は対処療法の薬でインフルエンザウイルスを殺す薬ではないようだがどっちにしろ同じだ。
インフルエンザは人間とウイルスの平衡関係で成り立っている。
「タミフル」はそれを壊してヒトを重篤に至らしめる可能性がある。
それを知っているのは一部の医者と薬の開発者だけだろう。だから彼らは決して「タミフル」を服用しないかもしれない。
「現実は小説より奇なり」とはよく言われることだが、正にこの「インフルエンザ禍」はこのことわざ通りである。
インフルエンザで重篤になるのは他の要素が複雑に絡むからだ。
「スペイン風邪」は第一次世界大戦という戦乱の中で非衛生状況が広範囲に存在していたからこそ大流行し致死率も高かった訳でそんな条件がもしなかったら誰も気が付かなかった季節性インフルエンザで終わっていたろう。
だから今回のインフルエンザもカタストロフを伴う禍が同時進行しない限り騒ぐようなものではないのだ。
WHOはそんなことくらい解らないのだろうか。
解ってやっているならこれほど悪質のものはない。
無論、「タミフル」製造製薬会社や高速インターネット企業群にとっては「願ってもない天の声」だがね。
「復活の日」や「アンドロメダ病原体」は想定しうる将来の禍を科学的根拠を元に見事に「予言」している小説だ。ある意味「未来指導書」でもある。
だからそれに近いことが現実に起こった場合、「嘘」や「欺瞞」も見抜くことが可能だ。
今騒がれているインフルエンザパンデミックが如何に「胡散臭い欺瞞を下敷きに画策されたデマゴギー」であるかはこの小説を読んでいれば容易に理解出来る。
一般の人も流石に「おかしい」と感づいたらしく、「フェーズ6」になったからといってマスクをする人も少ない。
だがこの「デマ」を画策した者はあの手この手で人々を騙そうとマスコミ総動員で「胡散臭い情報」を流してくるだろう。
特に北半球が冬に向かうシーズンは要注意だ。すでにこのパンデミックは2~3年続くという関係者も居る。
この人は製薬会社から幾ら貰っているのかと疑いたくもなる。
そんなに付き合ってられるか。
もし、マイケル・クライトンが生きていればこの「偽」パンデミックを題材に面白い小説を書いてくれるに違いない。
タイトルは「タミフル・嘘と欺瞞」
ベストセラーになりそうだ。